時は2015年――。
カンナ(平愛梨)は2000年12月31日に起きた、のちに「血の大晦日」と言われた大事件を思い返していた。カンナはその事件の首謀者といわれている“ケンヂ(唐沢寿明)”とその仲間たちがどのようにして事件に巻き込まれ、いかにして戦ったかを誰よりも知っていた。なぜなら、ケンジは彼女の伯父であり、育ての親だったからだ…。
・・・1997年。ケンヂはロックスターになる夢を諦め、コンビニを経営しながら、失踪した姉・キリコ(黒木瞳)の娘であるまだ幼いカンナの面倒を見ていた。そんなさえない日常を送っていたケンヂの周辺で、突然不可解な事件が続発するようになる。お得意先の教授一家の失踪、細菌被害、“ともだち”という謎の男の影……。そして、小学校時代、ケンヂの窮地を救ってくれた、同級生・ドンキー(生瀬勝久)の釈然としない死をきっかけに、ケンヂのささやかな日常は大きく崩壊していく。
・・・ケンジの小学校時代、1969年。人類は初の月面着陸に成功し、大阪万国博覧会を控え、日本中が輝ける未来に胸を膨らませていた。小学生のケンヂは、同級生の仲間たちと空き地に秘密基地を作り、日々遊びに興じていた。そのなかで彼らは空想を膨らませ、悪の組織がたくらむ人類滅亡計画と、その危機を救うヒーローの活躍を描いた、「よげんの書」を書いていた。まさか、後にそれが現実のものになるとは夢にも思わずに……。
子供のころの出来事などすっかり忘れていたケンヂだったが、彼の記憶はドンキーの死とともに蘇っていく。“ともだち”と呼ばれる謎の男と、彼が率いる謎の教団が引き起こす事件が、ケンヂたちが空き地で空想し、したためていた「よげんの書」と酷似していたのだ。そして、教団のシンボルマークは、ケンヂたちが子供のころ作った秘密マークそのもの。はたして“ともだち”の正体は、かつて秘密基地で遊んだ仲間の誰かなのか?
そんななか、教団の信者たちは幼子のカンナを「運命の子」と呼び、誘拐しようとする事件が起きる。必死でカンナを守ったケンジは、かつての仲間たち、オッチョ(豊川悦司)、マルオ(石塚英彦)、ヨシツネ(香川照之)、モンちゃん(宇梶剛士)、紅一点のユキジ(常盤貴子)を呼び集め、過去の記憶の糸を手繰りながら、世界滅亡の計画を阻止すべく、立ち上がる。しかし、まんまと“ともだち”の術中にハマり、事件の犯人に祭り上げられてしまう。そして、ついに人類は「よげんの書」に書かれた世界滅亡の日、2000年12月31日を迎えてしまう――。
「2000年12月31日!!
ズーンズーンとおそろしい地なりとともに、ついにそのきょだいな
かげは東京にすがたをあらわしました 原子りょくきょだいロボット!!
さいきんをばらまきながら はかいのかぎりをつくす!!
はたして21せいきはくるのでしょうか!! 東京のいや、世界のうんめいやいかに!!」



累計発行部数2500万部を超え、全世界待望の三部作で描かれる『20世紀少年』。
完璧に仕上がっている原作コミックの世界観をそのまま映像化しようと、原作に忠実に撮ることにこだわった堤幸彦監督が自ら「原作の完全コピー」と語るだけあり、映画『20世紀少年』は原作を絵コンテ代わりに、コマのアングルまで似せて撮られた秀作。もちろん、そのこだわりは07年の実写映画化が発表されて以来、ネット上で「どの俳優がどのキャラクターを演じるのか?」といった論争が白熱した、キャスティングにも顕著にあらわれている。主役のケンヂを演じる唐沢寿明を筆頭に、オッチョ役には豊川悦司、ユキジ役には常盤貴子、ヨシツネ役には香川照之、マルオ役には石塚英彦、モンちゃんには宇梶剛士、ケロヨンには宮迫博之、ドンキーには生瀬勝久、フクベエには佐々木蔵之介と個性派として知られる顔ぶれが勢揃い。コミックファンも納得の、ツボを押さえた見事な配役となっている。ほかにも、黒木瞳、ARATA、片瀬那奈、タカアンドトシ、オリエンタルラジオ、藤井フミヤ、及川光博、竹中直人、森山未来、池脇千鶴……など、三部作で総勢約300名にも及ぶ主要キャストたちは、ただただ豪華の一言。映画化、製作費、キャスティング、スケールと、すべてにおいて、まさに奇跡といえる作品に仕上がっている。
そんな奇跡の作品の主人公・ケンヂを中心とした仲間たちが子供のころに秘密基地で空想したたわいのない物語「よげんの書」が、数十年の時を経て、世界を滅亡へと導く“デスノート”になったいきさつを、新たなシーンを交えて、スクリーンでは決して観ることのできない、新たな第1章<もう一つの第1章>として、お届けします!