もののけ姫
ジブリチャンネル

もののけ姫

自然界の神々が住まう日本太古の森。今夜はノーカットでその森にあなたを誘います!

構想16年、製作期間3年、製作費20億円。崇高なテーマと壮大なスケールで描きだされる人間と自然の一大叙事詩。

もののけ姫 これはスタジオジブリ最大の問題作なのか?

1997年の公開当時ジブリ史上最大の製作費がかけられ、当時の日本映画史において歴代興行収入1位を記録した『もののけ姫』には、以降こんな言葉がついてまわった。

それもそのはず。宮崎駿監督が構想に16年を費やした後、製作に3年もの歳月をかけた一大叙事詩は、自然を破壊し大地を汚染し続ける人々に対する強烈なメッセージが込められていると同時に、ジブリ作品としては異例の生々しい描写が多々あったからだ。

しかし、本作を観た人々はみなそのメッセージをしかと受け止め、生々しいと言われた描写も映画にとって必要不可欠であること知る。そして、殺伐とした時代と言われて久しい現代において、それでもなお「生きろ。生きていればいいことがある」という、宮崎監督の力強い言葉を感じ取ったのだ。

舞台は日本――。中世から近世へ移行する混沌の時代、室町時代の日本は照葉樹林の森に覆われていたという。そこで、美術班、作画、仕上、CGにいたるまでの全スタッフが、今なお照葉樹林の原生林を持つ日本で唯一の場所・屋久島へと出向き、一大ロケーションを敢行し、徹底してこだわりぬいたのが緑の描写だった。主人公アシタカが住む村や、神々を森から排除して民のための土地に変えたいと願うエボシ御前の住むタタラ場などは、日本各地の実在する場所にヒントを得て描かれたという。この美しきニッポンを凝縮した映像は、とにかくため息がでるほど豊かな仕上がりだ。その映像に、森を侵す人間と荒ぶる神々との闘いという、日本古来の民俗伝承や歴史的事実などにインスパイアされた壮大なストーリーが重なり、宮崎駿ならではの現実とイマジネーションが入り乱れたような、巨大な物語の世界が広がっていく。

もののけ姫 そんな宮崎駿の世界にリアルに命を吹き込むのが豪華声優陣たちだ。主人公の少年・アシタカには松田洋治。もののけ姫・サンには澄んだ声が印象的な石田ゆり子。荒ぶる神々と闘うタタラ集団を率いる冷静沈着なエボシ御前には田中裕子。さらに、老巫女・ヒイさまには森光子。荒ぶる神々の声を演じるのは森繁久彌に美輪明宏、と通常では決して見ることのできない、ベテランや個性派役者たちが異色の共演をはたしている。

音楽は宮崎作品に欠かせない久石譲。そして、「アシタカが心の中でサンに向かってささやいた」(宮崎駿談)主題歌を、世界的なカウンターテナーの米良美一が心にじんわりと沁み込む声で歌いあげる。

憎悪や殺戮であふれる現代の日常や環境問題など、さまざまなメッセージが込められた本作をあなたはどう受け止めるか。今夜完全ノーカットでお届けする『もののけ姫』は、混沌とした時代を生きるわたしたちすべての人が観るべき、いや観なくてはならない貴重な作品だ。はたして失われたイノセンスは取り戻すことができるのか――。それはあなた自身にかかっている。

「曇りなき眼ですべてを見定めよ」。すべての人類に向けられた“生きろ”というメッセージ。

もののけ姫 中世から近世へと移行する混沌の時代。日本と思しき国に住む先住民エミシの村を、タタリ神が襲った。王家の血を引くアシタカ(松田洋治)は、村を救うためにやむを得ずタタリ神を倒すが、そのせいで右腕に呪いをかけられてしまった。占い師も司る村の老巫女・ヒイさま(森光子)に、「西に行けば呪いを断つ方法が見つかるかもしれぬ」というお告げを受けたアシタカは、その真相を確かめようと大カモシカヤックルにまたがり、出雲とおぼしきその土地を目指す。そして、とある町で出会った謎の坊主・ジコ坊(小林薫)から“シシの森”の存在を聞き、さらに旅路を急ぐ。

“シシの森”を目指すアシタカは旅の途中、犬神モロ(美輪明宏)に襲われて谷に転落した牛飼いの甲六(西村雅彦)たちを助けたことから、彼らの住む鉄を精錬する里・タタラ場に立ち寄ることになった。そこでアシタカは女頭領エボシ御前(田中裕子)と会い、彼女たちが砂鉄を得るためにシシ神の山を切り崩していることが原因で、怒りと憎悪にあふれたナゴの守という猪神をタタリ神に変えてしまったことを知る。そんなエボシに、「ここにとどまり力を尽くさぬか」と誘われるアシタカの胸中は複雑だった。

もののけ姫 その夜、サン(石田ゆり子)という美しい娘が山犬とともにタタラ場を襲撃してきた。この少女サンこそ、人語を解する犬神モロに育てられた「もののけ姫」だったのだ。サンは森を侵す人間を激しく憎んでおり、エボシと激しい闘いを繰り広げた。アシタカはエボシとサンの死闘をなんとか制止したものの、自らも深い傷を負ってしまった。それでもサンを背負ってなんとかタタラ場から脱出し、大地に倒れた。

サンは虫の息となったアシタカを殺めようとするものの、アシタカの口から発せられた「生きろ! そなたは美しい」という言葉に動揺し、彼がほかの人間とは違う心を持っていることを感じる。結局サンはアシタカの命を神に託すことにする。森の中から現れたシシ神はアシタカの傷を癒したものの、彼の呪いの痣までは消すことができなかった。

そのころ、齢500歳の老猪、鎮西の乙事主が森を切り拓く人間との争いに決着をつけようと、シシ神の森にやってきた。一方、ジコ坊は、唐傘連やジバシリといった正体不明の一味を引き連れて、エボシと組んで不老不死の力があるとされるシシ神の首を奪おうと、着々と準備を進めていた。

アシタカは人間につくべきなのか、荒ぶる神々につくべきなのか、なおも迷っていた。「森と人が争わずにすむ道はないのか、本当にもうとめられないのか」。

はたしてアシタカは人と神の争いを止めることができるのか? サンの運命は?

物語は思わぬ結末へと、ひた走る−−。

もののけ姫

キャスト

<アシタカ>
松田洋治
<サン>
石田ゆり子
<エボシ御前>
田中裕子
<ジコ坊>
小林薫
<甲六>
西村雅彦
<ゴンザ>
上條恒彦
<トキ>
島本須美
<タタリ神>
佐藤 允
<牛飼い>
名古屋章
<モロの君>
美輪明宏
<ヒイさま>
森 光子
<乙事主>
森繁久彌

スタッフ

<製作総指揮>
徳間康快
<製作>
氏家齊一郎、成田 豊
<監督・原作・脚本>
宮崎 駿
<プロデューサー>
鈴木敏夫
<製作担当>
奥田誠治
<作画>
安藤雅司
<美術>
山本ニ三、黒田 聡、田中直哉
武重洋二、男鹿和雄
<色彩>
保田道世
<撮影>
奥井敦
<音楽>
久石 譲
<主題歌>
米良美一
(「もののけ姫」詞:宮崎 駿 曲:久石 譲)