紅の豚
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紅の豚

「借りぐらしのアリエッティ」公開記念ジブリ月間 第一弾は宮崎駿が“カッコよさ”にこだわった娯楽作

ストーリーも絵の動きもしびれちゃうほどカッコイイ!宮崎アニメの真骨頂がここに!!

紅の豚 宮崎駿が企画・脚本を務めるスタジオジブリ待望の最新作「借りぐらしのアリエッティ」がいよいよ7月17日に全国公開! それを記念して、7月はスタジオジブリの珠玉の名作4作品を一挙大放送!! まずは、宮崎駿がダンディズムとアニメーションの愉しみを徹底的に追求した「紅の豚」が登場だ。

舞台は、第一次大戦後、世界恐慌による不況にあえぐイタリア・アドリア海。ファシズムに国が傾倒していく中、アドリア海では世界情勢なんてお構いナシに、金を求めて遊覧船などを襲う「空賊」が暴れまわっていた。そんな空賊を相手に、超絶の飛行テクで賞金を稼ぐ一匹狼ならぬ一匹ブタ(?)、ポルコ・ロッソがこの物語の主人公だ。

ある時、無敵を誇るポルコの前に、空賊たちから用心棒として雇われたアメリカ人、カーチスが現れた。過剰なほどの自信に満ちた彼は、名声のためにポルコに空の勝負を挑む。しかも、ポルコが長年思いを寄せながらも素直になれずにいる運命の女性、ジーナにも急接近! ポルコは、飛行艇を修理してくれた少女・フィオに背中を押される形で、自らと向き合い、カーチスとの一騎打ちに臨むことに…。

金と女には目がなくて、普段はバカ騒ぎばかり。でも、イザとなったら名誉と友情を何よりも優先する男たち。そんな彼らを支える、美しく芯が強い女たち。彼らの深い愛情と友情を描くシンプルなストーリーが、青い空と青い海というこれまたシンプルな背景の中で展開される。その上で、主人公のブタをはじめとするデフォルメされまくったキャラクター造形など、アニメーションだからこそ可能になる“愉しさ”を突き詰めた娯楽作だ。

紅の豚 「ナウシカ」「ラピュタ」を例に挙げるまでもなく、一貫して空を飛ぶ表現にこだわり続けている宮崎駿監督が、その快感を極限まで追求。飛行艇の設計から組み立ての過程を丁寧に描写したり、実写では不可能なアングルから空中戦を撮影したり。全編に渡って宮崎監督のこだわりが炸裂している。ミラノの街を流れる水路から飛行艇が飛び立つシーンは「スター・ウォーズ」顔負けのスピード感だし、クライマックスのポルコとカーチスの空中戦は息をつく間もないほど。徹頭徹尾、華麗なカメラワークで魅せまくる!

その一方で、コメディとしての面白さもダントツ! 空と海、美味しい食事とワイン、そして美しい音楽をこよなく愛する…ダンディに、シニカルにキメているポルコが、いつの間にかフィオやカーチスに自分のペースを乱されていく様には思わずニヤリ。「天空の城ラピュタ」のドーラ率いる空中海賊が増殖したような空賊の面々も、脇役とは思えないほど丁寧に作りこまれていて、愛すべきキャラクターがザクザク登場。各所で小さな笑いを繰り出しているので、画面の隅々まで注目してみて。

渋すぎるポルコの声には、ポルコのキャラ作りにも影響を与えた「刑事コジャック」の森山周一郎。ヒロインのジーナに主題歌も担当した加藤登紀子、飛行艇修理工場のピッコロに桂三枝、空賊のマンマユート団のボスに上條恒彦など、多彩な面々が集結した。

「カッコイイとは、こういうことさ。」劇場公開時のキャッチコピーの通り、物語的にもアニメーション的にも「カッコイイ」ことにこだわりまくった宮崎アニメの真骨頂。草食系イケメン全盛の時代だからこそ、ホンモノのカッコよさと正面から向き合ってみてはいかが?

愛のため、友情のため、そして名誉のためブタに姿を変えた男が、青空を翔ける!

紅の豚 第一次世界大戦が終結後、世界恐慌まっただ中のヨーロッパ。イタリアではファシズムが台頭し、新たな戦争に突入しようとしていた。

マルコ、通称ポルコ・ロッソ(森山周一郎)は、アドリア海の空賊から恐れられる飛行艇乗り。不景気の中、金を求めて悪事を繰り返す空賊たちと闘い、高額な報酬をせしめる賞金稼ぎだ。彼は第一次大戦では、イタリア空軍で英雄視されていたが、その後自らの姿をブタに変え、他の人間と距離を置いて暮らしていた。

小さな島にあるポルコのアジトに、いつものように空賊出現の知らせが。空賊の一派、マンマユート団が客船を襲い、少女たちと金貨を奪っていったのだ。高額の賞金を確認したポルコは深紅の愛艇“サボイアS-21試作戦闘艇”で現場へ急行、無事に少女たちを救出する。マンマユート団の戦闘艇は半壊。修理のために空賊の身でローンを組む羽目に。

その頃、ポルコの昔からの友人、ジーナ(加藤登紀子)が経営するホテル・アドリアーノでは、アドリア海に巣食う空賊たちが悪だくみの最中だった。彼らに助っ人として雇われたのは、濃紺の“カーチスR3C-O”を操るキザなアメリカ人、ミスター・カーチス(大塚明夫)。たちまちジーナに一目惚れしたカーチスは、彼女にプロポーズ。しかしその夜は、ジーナの3人目の夫の死亡が確認されたばかりだった。その知らせにポルコとジーナの間には、微妙な空気が流れる。

カーチスの力を借りた空賊連合は、豪華客船の襲撃に成功。調子に乗った彼らはポルコを挑発するが、ポルコは寿命を迎えつつある愛艇のエンジンを修理するためミラノへ向かう。しかし、待ち伏せしていたカーチスがポルコを急襲。逃げようとしているうちに遂にエンジンが故障し、ポルコは墜落してしまう。

紅の豚 無人島に不時着したポルコは、ようやくミラノで工場を経営するピッコロ(桂三枝)のもとにたどり着く。だが、工場の男たちは出稼ぎに出ていて働き手は女性ばかり。しかも17歳のピッコロの孫娘、フィオ(岡村明美)が飛行艇の設計を担当すると聞き、ポルコは大反対。しかしフィオの確かな技術と才能、何より飛行艇への愛情に触れ、彼女を信頼するようになる。

女たちの手で、新たに生まれ変わったサボイア。しかし、秘密警察に追われているポルコに残された時間は少なかった。急遽出発を決めたポルコに、フィオは借金取り兼整備士、兼、人質として付いていくことになる。2人は工場の裏手の小さな水路から離水。イタリア空軍のかつての戦友、フェラーリンの助けもあり、無事にアドリア海へと旅立った。

同じ頃。ジーナの秘密の庭に侵入したカーチスは、改めて彼女にプロポーズしていた。しかしジーナは、この庭で一人の男を待ち続けていることをカーチスに告げる。その時、上空にポルコの飛行艇が現れた。胸をときめかせるジーナ。しかし、ポルコは庭に降り立つことなく、飛び去ってしまう。ジーナの秘められた想いに、カーチスは衝撃を受ける。

ポルコのアジトでは、マンマユート団をはじめとする空賊の面々がポルコをボコボコにしようと待ち受けていた。正々堂々と闘おうとしない彼らをフィオは一喝。落ち込む空賊たちの前に、カーチスが現れる。最初はポルコとのリターン・マッチに後ろ向きだったカーチスだが、フィオを見て態度を一変。自分が勝ったらフィオと結婚するという条件で、再戦に応じることになる。逆にポルコが勝ったら、ピッコロ社への借金はすべてカーチスが払うことに。マンマユート団のボス(上條恒彦)がバトルの仕切りに名乗りを上げ、ポルコの意思はそっちのけで、決戦のお膳立ては整った。

決戦当日。アドリア海の空賊やギャングたちが集結し、会場はお祭り騒ぎだ。他者を信用せず自分のために戦ってきたポルコだったが、フィオのために戦うことを決意。他者への信頼を取り戻した彼は再び人間に戻ることができるのか? そして、ポルコとジーナ、フィオの恋の行方は? それぞれの思いを抱いて、二機が大空へと飛び立った…!

紅の豚

キャスト

<ポルコ・ロッソ>
森山周一郎
<マダム・ジーナ>
加藤登紀子
<ピッコロおやじ>
桂三枝
<マンマユート・ボス>
上條恒彦
<フィオ・ピッコロ>
岡村明美
<ミスター・カーチス>
大塚明夫
<バアちゃん>
関弘子

スタッフ

<製作>
徳間康快、利光松男、佐々木芳雄
<企画>
山下辰巳、尾形英夫
<原作・脚本>
宮崎駿
(月刊「モデルグラフィックス」連載)
<音楽監督>
久石譲
<主題歌>
「さくらんぼの実る頃」
J.B.Clement-A.Renard
唄 加藤登紀子
<エンディング・テーマ>
「時には昔の話を」
作詞・作曲・唄 加藤登紀子
(シングル/ソニーレコード
サントラ/徳間ジャパンコミュニケーションズ)
<挿入歌>
「LE TEMPS DES CERISES」
J.B.Clement-A.Renard
Arr. M. Villard
Jack Lantier
<挿入曲>
狂気(MADNESS)
久石譲(東芝EMI)
<作画監督>
賀川愛、河口俊夫
<美術監督>
久村佳津
<撮影監督>
奥井敦
<編集>
瀬山武司
<プロデューサー>
鈴木敏夫
<監督>
宮崎駿