第一次世界大戦が終結後、世界恐慌まっただ中のヨーロッパ。イタリアではファシズムが台頭し、新たな戦争に突入しようとしていた。
マルコ、通称ポルコ・ロッソ(森山周一郎)は、アドリア海の空賊から恐れられる飛行艇乗り。不景気の中、金を求めて悪事を繰り返す空賊たちと闘い、高額な報酬をせしめる賞金稼ぎだ。彼は第一次大戦では、イタリア空軍で英雄視されていたが、その後自らの姿をブタに変え、他の人間と距離を置いて暮らしていた。
小さな島にあるポルコのアジトに、いつものように空賊出現の知らせが。空賊の一派、マンマユート団が客船を襲い、少女たちと金貨を奪っていったのだ。高額の賞金を確認したポルコは深紅の愛艇“サボイアS-21試作戦闘艇”で現場へ急行、無事に少女たちを救出する。マンマユート団の戦闘艇は半壊。修理のために空賊の身でローンを組む羽目に。
その頃、ポルコの昔からの友人、ジーナ(加藤登紀子)が経営するホテル・アドリアーノでは、アドリア海に巣食う空賊たちが悪だくみの最中だった。彼らに助っ人として雇われたのは、濃紺の“カーチスR3C-O”を操るキザなアメリカ人、ミスター・カーチス(大塚明夫)。たちまちジーナに一目惚れしたカーチスは、彼女にプロポーズ。しかしその夜は、ジーナの3人目の夫の死亡が確認されたばかりだった。その知らせにポルコとジーナの間には、微妙な空気が流れる。
カーチスの力を借りた空賊連合は、豪華客船の襲撃に成功。調子に乗った彼らはポルコを挑発するが、ポルコは寿命を迎えつつある愛艇のエンジンを修理するためミラノへ向かう。しかし、待ち伏せしていたカーチスがポルコを急襲。逃げようとしているうちに遂にエンジンが故障し、ポルコは墜落してしまう。
無人島に不時着したポルコは、ようやくミラノで工場を経営するピッコロ(桂三枝)のもとにたどり着く。だが、工場の男たちは出稼ぎに出ていて働き手は女性ばかり。しかも17歳のピッコロの孫娘、フィオ(岡村明美)が飛行艇の設計を担当すると聞き、ポルコは大反対。しかしフィオの確かな技術と才能、何より飛行艇への愛情に触れ、彼女を信頼するようになる。
女たちの手で、新たに生まれ変わったサボイア。しかし、秘密警察に追われているポルコに残された時間は少なかった。急遽出発を決めたポルコに、フィオは借金取り兼整備士、兼、人質として付いていくことになる。2人は工場の裏手の小さな水路から離水。イタリア空軍のかつての戦友、フェラーリンの助けもあり、無事にアドリア海へと旅立った。
同じ頃。ジーナの秘密の庭に侵入したカーチスは、改めて彼女にプロポーズしていた。しかしジーナは、この庭で一人の男を待ち続けていることをカーチスに告げる。その時、上空にポルコの飛行艇が現れた。胸をときめかせるジーナ。しかし、ポルコは庭に降り立つことなく、飛び去ってしまう。ジーナの秘められた想いに、カーチスは衝撃を受ける。
ポルコのアジトでは、マンマユート団をはじめとする空賊の面々がポルコをボコボコにしようと待ち受けていた。正々堂々と闘おうとしない彼らをフィオは一喝。落ち込む空賊たちの前に、カーチスが現れる。最初はポルコとのリターン・マッチに後ろ向きだったカーチスだが、フィオを見て態度を一変。自分が勝ったらフィオと結婚するという条件で、再戦に応じることになる。逆にポルコが勝ったら、ピッコロ社への借金はすべてカーチスが払うことに。マンマユート団のボス(上條恒彦)がバトルの仕切りに名乗りを上げ、ポルコの意思はそっちのけで、決戦のお膳立ては整った。
決戦当日。アドリア海の空賊やギャングたちが集結し、会場はお祭り騒ぎだ。他者を信用せず自分のために戦ってきたポルコだったが、フィオのために戦うことを決意。他者への信頼を取り戻した彼は再び人間に戻ることができるのか? そして、ポルコとジーナ、フィオの恋の行方は? それぞれの思いを抱いて、二機が大空へと飛び立った…!




宮崎駿が企画・脚本を務めるスタジオジブリ待望の最新作「借りぐらしのアリエッティ」がいよいよ7月17日に全国公開! それを記念して、7月はスタジオジブリの珠玉の名作4作品を一挙大放送!! まずは、宮崎駿がダンディズムとアニメーションの愉しみを徹底的に追求した「紅の豚」が登場だ。
「ナウシカ」「ラピュタ」を例に挙げるまでもなく、一貫して空を飛ぶ表現にこだわり続けている宮崎駿監督が、その快感を極限まで追求。飛行艇の設計から組み立ての過程を丁寧に描写したり、実写では不可能なアングルから空中戦を撮影したり。全編に渡って宮崎監督のこだわりが炸裂している。ミラノの街を流れる水路から飛行艇が飛び立つシーンは「スター・ウォーズ」顔負けのスピード感だし、クライマックスのポルコとカーチスの空中戦は息をつく間もないほど。徹頭徹尾、華麗なカメラワークで魅せまくる!