大晦日。北大西洋を順調に航海中の豪華客船「ポセイドン号」。ダンスフロアではカウントダウン・パーティが開催され、船内のスタッフたちもリラックスした表情を見せている。
NYの元市長で今は引退したラムジー(カート・ラッセル)は、娘のジェニファー(エミー・ロッサム)と彼女の恋人・クリスチャン(マイク・ボーゲル)と一緒に乗船。2人の交際をあまりよく思っていないラムジーは、人目をはばからずラブラブな娘たちに渋い顔だ。船内のカジノでひと儲けしたギャンブラーのディラン(ジョシュ・ルーカス)は、美しいシングルマザー・マギー(ジャシンダ・バレット)と息子のコナー(ジミー・ベネット)を軽くナンパ中。ウェイターのバレンティン(フレディー・ロドリゲス)の協力のもと密航中のエレナ(ミア・マエストロ)、品の良い老人・リチャード(リチャード・ドレイファス)など…。それぞれに事情を抱えた乗客たちも、新年を迎えようとしていた。
パーティが盛り上がる中、長年の恋人との別れにショックを受けて自殺を決意したリチャードは甲板へ。彼が甲板から乗り出したその時、水平線の向こうから巨大な波が押し寄せてくる。操舵室のクルーも異変に気付くが、時既に遅し。緊急事態が宣言されダンスフロアがパニックになる中、大波がポセイドン号に襲いかかった。波は一気に船を飲み込み、横倒しになった船体はそのまま逆さまに。炎が上がり、人は水中に投げ出され、電気がストップ。カウントダウンに沸くダンスフロアは一転、地獄絵図と化した。
船体が完全に逆さまになったところで、一旦混乱は収まった。生き残った人が集まったダンスフロアで、船長のブラッドフォード(アンドレ・ブラウワー)は、救助が来るまで全員フロアを離れないよう指示を出す。しかし、船の見取り図を見ていたディランは危険と判断。船底のプロペラ部分から外に脱出しようと、死体から必要なものを拾い集める。それに気付いたコナーは、彼と一緒に逃げるようマギーを説得。別のフロアにいるはずのジェニファーを探すラムジー、建築家で同様に危険を察知したリチャードも、ディランと行動を共にすることに。バレンティンの案内で上の階に脱出する一行。彼らが出て行った後、ダンスフロアに続く防水扉が完全に閉じられた。
一方ディスコフロアでは、クリスチャンが落下してきた鉄骨に足を挟まれて動けなくなっていた。居合わせたエレナと、酔っ払いのラリー(ケビン・ディロン)の力を借りて、クリスチャンを救出するジェニファー。そこにラムジーたちが到着。彼らは一緒に脱出する道を探すことになる。
エレベーターのシャフト、吹きぬけのロビーに橋のように引っ掛かっている通路、狭くて暗い通気口…。元消防士のラムジーと元海軍のディランがリーダーとなり、危険を冒して進んでいく一行。状況は次第に過酷さを増し、一人、また一人と命を落としていく。
数時間後、水圧に耐えられなくなった窓から、一気にダンスフロアに海水が流れ込んだ。その重みで、次第に上のフロアも浸水し始める。このままでは船全体が水に沈んでしまう。タイムリミットが迫る中、一行は船を安定させるために海水を溜められるタンクにたどり着く。タンクの扉を開けるためには、圧力バルブに内側から水圧をかけるしかない。退路を断って自分たちのいるタンクに水を入れる決意をするディラン。もしバルブが開かなければ一巻の終わりだ。それぞれが覚悟を決めて、水に潜った…!
刻一刻と沈んでいく船体。目指す船首まではあと一歩だ。愛する娘のために大きな決断を迫られるラムジー。いつしかマギーと心を通わせるようになったディランも、彼女を思い危険に身を投じることに! 彼らは無事に脱出することができるのか!?



いよいよ夏本番! 暑い、というよりむしろ熱い夜に観たくなるのは、スリリングな海洋パニック映画。ディザスター・ムービーの金字塔「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年制作)をリメイクした「ポセイドン」は、「タイタニック」顔負けの圧倒的な映像力で観ている者を一気呵成に大海原に引きずり込む、パワー全開の超大作だ。
序盤は最先端の映像技術を駆使して、想像を絶する大波に豪華客船が飲み込まれる様子をダイナミックかつ繊細に描写。しかし船底の出口を目指す脱出劇では一転、CGを最低限に抑えた生身のアクションが展開する。客船を真っ逆さまにした巨大なセットに大量の水が流しこまれ、役者陣は長時間水に潜ったり高所に渡された鉄骨の上を歩いたり。その撮影は過酷を極めたという。