1973年。中学校の放送室を一人の少年が占拠した。ホウキをギターに見立ててかきならすその少年がレコードデッキに乗せたのはT.REXの「20th Century Boy」。イントロのギターが学校中に鳴り響いた。
時は流れて1997年。ロックへの夢を諦めたケンヂ(唐沢寿明)は、コンビニを経営していた。背中に姉のキリコ(黒木瞳)が置き去りにしていった小さな女の子・カンナをおんぶして、本部の冴えない上司(徳井優)に頭を下げる日々。ある日、ケンヂの店に警察官が現れた。コンビニのお得意さん、敷島教授の一家が失踪したのだという。慌てて集金に向かったケンヂは、敷島宅で見覚えのある奇妙なマークを見つける。
同じ頃。あるアパートで全身から血が流れ出た変死体が発見される。犠牲者は敷島教授が教えていた大学の学生。世界中で蔓延しつつある伝染病が遂に日本に上陸したのだ。
ケンヂは久しぶりに小学校の同窓会に出席。懐かしい顔ぶれが集まる中、「ともだち」と呼ばれる教祖が率いる宗教団体の話題に。その教団のシンボルが、ケンヂの仲間が秘密基地で使っていたマークと同じで、同級生たちはケンヂたちがその教団に関係していると思っていたのだ。それは、敷島宅でケンヂが見つけたのと同じマーク。そんなマークの存在すら忘れていたケンヂの脳裏に、小学生時代の記憶がよみがえる。秘密基地で遊んだ楽しい日々。そんな彼らをいつも陰から見つめていたお面姿の少年…。
そんな中、ケンヂたちの仲間だったドンキー(生瀬勝久)が亡くなった。その通夜の席で、ケンヂとヨシツネ(香川照之)、マルオ(石塚英彦)、モンちゃん(宇梶剛士)、ケロヨン(宮迫博之)が再び顔をそろえることに。ケンヂの元には亡くなる直前にドンキーから手紙が届いていた。ドンキーの死の手がかりを求めて、秘密基地に埋めたタイムカプセルを掘り起こす仲間たち。タイムカプセルから出てきたのは、教団の使っているマークが描かれた大きな旗。「ともだち」は本当に秘密基地の仲間の中にいるのか?
秘密基地の仲間の紅一点で、武道の達人だったユキジ(常盤貴子)は麻薬Gメンとして働いていた。弁護士をしている親友の節子(竹内都子)から「ともだち」の率いる教団のシンボルを見せられたユキジは、ケンヂの元へ。一緒に「ともだち」と闘うようケンヂを諭すが、夢を諦めたケンヂにとってそんな闘いこそ「夢」のような出来事だった。
ある日、未来を読む力を持ち神様と呼ばれるホームレス(中村嘉葎雄)のもとに、一人の血まみれの男(遠藤憲一)が現れる。その男から、ドンキーを殺害したのが謎の教団であることを知らされショックを受けるケンヂ。「よげんの書」に沿って犯罪を重ねている「ともだち」を止められるのはケンヂしかいないと告げ、その男は息絶える。
その頃、謎の教団の信者が“運命の子”であるカンナを誘拐するため、ケンヂのコンビニへ。ユキジの協力もあり誘拐は未遂に終わるが、信者たちのせいでコンビニは全焼。ケンヂはレーザー銃を手に、教団の集会「ともだちコンサート」に乗り込むのだが…。
コンビニの焼け跡から掘り出された「よげんの書」。それによると、2000年の12月31日、巨大ロボットによって東京が破壊されてしまう! テロリストとして手配される身になったケンヂは、「ともだち」の暴走を止めるために仲間に決起を呼びかける。タイの裏社会で暮らしていた親友のオッチョ(豊川悦司)も緊急帰国。遂に昔の仲間が集まった。彼らは、東京を、世界を救うことができるのか…“血の大みそか”がとうとうやってきた!!




日本だけでなく、世界中にファンを持つ人気漫画家・浦沢直樹の大ヒットコミック「20世紀少年」。単行本は全22巻(続編の「21世紀少年」を含めれば24巻)に及び、映像化は不可能かと思われていた壮大な物語が、三部作という前代未聞のスケールで映画化された。そして2010年8月。日本中を席捲したシリーズ三部作を、3週連続、金曜ロードショーで一挙放送だ!
原作の浦沢直樹と企画・脚本の長崎尚志が出演を熱望したという香川照之(ヨシツネ役)や佐々木蔵之介(フクベエ役)といった個性派俳優や、石塚英彦(マルオ役)、宮迫博之(ケロヨン役)、宇梶剛士(モンちゃん役)らバラエティ豊かな面々も登場。原作のキャラクターの持ち味を大切に、ビジュアルからじっくりと役柄を作り上げている。事件の「スタート」となるドンキー役の生瀬勝久、影の薄い同級生ヤマネ役の小日向文世も、出演シーンは多くないものの深い印象を残す。 ほか、“ともだち”のスポークスマンとして陰に日向に活躍する万丈目に石橋蓮司、予知能力を持つホームレス・神様に中村嘉葎雄、そして行方不明になったケンヂの姉・キリコに黒木瞳と、実力派が脇をガッチリ固めた。