ブタがいた教室

ブタがいた教室

学校で子ブタを育てて、みんなで食べる!?さて、あなたならどんな「答え」を出しますか?

妻夫木聡が理想の教師役を好演!子供と子ブタのリアルな演技にも注目

ブタがいた教室 クラスでブタを育てて、大きくなったらみんなで食べよう。食べ物の大切さと命の尊さを教えるため、実際に大阪の小学校で行われた授業をもとにした物語。駆け出しの新米教師と小学校6年生の生徒たちが、心をこめて育てたブタを食べるべきか、食べざるべきかという究極の難問に真っ正面から立ち向かう! 妻夫木聡主演の超話題作の登場だ。

小学校6年生のクラスを担当することになった星先生が、教室に子ブタを連れてくるところから物語は始まる。食べるためにブタを飼育するという、究極の食育。大人たちは星先生の狙いを理解できても、生徒たちにとっては子ブタは単なるかわいいペット。彼らはブタをPちゃんと名付けて大切に育てるが、星先生はPちゃんを飼い始めた目的を忘れてはいなかった。「Pちゃんを食べるか、食べないか」。クラスを二分して、「食」と「命」をめぐる熱い議論バトルが始まった!

子ブタのPちゃんのために小屋を作り、毎日のエサやりとフンの始末、一緒に運動したり遊んだり。一生懸命にPちゃんの世話をする生徒たちの姿が、1年を通して丁寧に綴られていく。そして彼らのPちゃんへの愛情が深まるほどに深刻さを増す、Pちゃんの処遇問題。Pちゃんはカワイイから食べたくない。でもPちゃんを飼い始めるまでは、豚肉は大好きな食材だったし食べることに疑問を抱いたことなんてなかった。では、目の前にいる子ブタと、スーパーで売られている「豚肉」は何が違うのか。食べないという結論は、現実から逃げているだけなんじゃないのか…。大人でも逃げたくなる問題に体当たりでぶつかり、自分なりの結論を導き出して行く子供たちの姿はリアルで、圧倒的な力で観る者を惹きこんでいく。

ブタがいた教室 子供とブタの自然な表情を丁寧に切り取っていく、ドキュメンタリーのような映像も効果的。特に教室での討論会のシーンはセリフを決め込まず、映画の結末も教えないまま、子役に自分の言葉で議論させたという。演技とは思えないリアルな涙と印象的な言葉の数々は、子供たちが自分の力で生みだしたのだ。そんな真に迫った子役たちの演技のお陰で、彼らを導く星先生を演じた妻夫木聡も自然に「先生」になることができたと語っている。子供たちの心に寄り添いながら、彼らの自主性を重んじて適度な距離感で子供たちを見守る星先生。生徒たちの熱さと妻夫木の強い感受性が、そんな理想の先生像を作り上げたといえる。

星先生のチャレンジを温かく支える校長役の原田美枝子をはじめ、教頭役の大杉漣、教師役の田畑智子、そしてピエール瀧やコンドルズの近藤良平が演じる生徒の父親たちまで。脇を固めるキャラクターもすばらしく、その一言一言が重く心に突き刺さる。

最終的にPちゃんを食べるか食べないか、子供たちがそれぞれに出した「答え」のすべてが間違いではないはずだ。この授業で大切なのは「答え」ではなく、問題を通してペットのブタも、食用に育てられているブタも、そして豚肉を美味しくいただいている私たち人間も、命の重さは同じだということを再確認すること。家族で食卓を囲みながら、「いただきます」という言葉の意味をしっかりと噛みしめたくなる秀作だ。

クラスにかわいい子ブタがやってきた!新米教師と生徒たちの汗と涙の奮闘記

ブタがいた教室 4月。新しく6年2組の担任になった新米教師・星先生(妻夫木聡)が、教室に子ブタを連れて現れた。彼は食育をテーマに、子ブタを学校で育てて自分たちで食べる、という実験的な授業を計画。毎日食べ物をいただけることのありがたさと、生き物の命の大切さを、身体で子供たちに学ばせようという狙いだ。仁科教頭(大杉漣)をはじめ、同僚の教師たちは困惑気味だが、高原校長(原田美枝子)の後押しもあり、1年を通した「命の授業」が幕を開けた。

6年2組の教室では、初めて子ブタを目にした子供たちが大興奮。「最終的に食べる」という星先生の言葉はそっちのけで、彼らは子ブタに「Pちゃん」と命名。校庭の隅に勝手にPちゃんの小屋を作ってしまった。転入してきたばかりでクラスに馴染めていない花(甘利はるな)も、初めて触る子ブタのぬくもりに思わずニッコリ。子ブタの世話を通して、花は少しずつクラスのみんなと打ち解けるようになる。

毎日のエサやり、フンの始末、小屋の掃除、ブラッシング。Pちゃんが脱走するたびに各所に謝って回ったり、洋服にフンの匂いがついてイヤな顔をされたり。Pちゃんの世話は楽しいことばかりではなかったが、楽しみながら一生懸命働く6年2組の生徒たち。Pちゃんが風邪をひけば本気で心配し、夏休みの間は交代でPちゃんの世話をするために学校へ。そして台風が来た日には一丸となってPちゃんを守るために奔走するなど、Pちゃんを中心に全員が強い絆で結ばれていく6年2組。PTAの中にはこの授業の必要性を疑問視する声もあったが、一方では子供の好き嫌いがなくなったと評価する声もあり、星先生の努力も少しずつだが実を結びはじめていた。そして、秋が来るころには6年2組の生徒と星先生にとって、Pちゃんはかけがえのないクラスの一員として成長していった。

ブタがいた教室 教室の壁に飾られた絵がPちゃんだらけになるほど、生徒たちの"6年生の思い出"のすべてのシーンを彩ってきたPちゃん。しかしある日、彼らは思い出してしまったのだ。1年経ったらPちゃんを食べるという星先生との約束を。そうはさせまいと、花は学校からPちゃんを連れ出して自分の手で育てようとするが、クラスメイトに見つかってしまう。「本当にPちゃんを食べるの?」。花の心からの訴えを聞いた星先生は、生徒たちとPちゃんをどうするか、真剣に話し合うことにする。

Pちゃんを食べる、食べない。星先生の問いかけは、クラスを二分した大討論会に発展。可哀そうだから食べたくない派の生徒たちと、可愛いからこそ責任をもって最期を見届けるべき派の生徒たち。"人間は食べなければ生きていけない"という大前提はクラス全員が理解している事実だ。でも他の豚肉と同じようにPちゃんを食べてしまっていいのか。食べないとしたら、自分たちが卒業した後、Pちゃんの世話は誰がみるのか。世話ができないからといって、自分たちの卒業の日をPちゃんの命の終わりの日と決めてしまうことが果たして許されるのか。全員がPちゃんを大切に思う気持ちは同じだからこそ、何度も何度もその議論は繰り返され、結論が出ないまま時間だけが過ぎていった。

卒業の日は刻一刻と近づいてくる。生徒たちのそれぞれの家庭でも、「Pちゃんを食べる・食べない」をめぐって正解のない話し合いが繰り広げられていた。生徒たちの熱い思いに、星先生が年度初めに立てた「授業計画」も少しずつ揺らぎ始める。果たして生徒たちは自分たちの思いにどう決着をつけるのか? そして星先生がたどりついた「答え」とは…?

ブタがいた教室

キャスト

<星先生>
妻夫木聡
<仁科教頭>
大杉漣
<池沢先生>
田畑智子
<小鷲先生>
池田成志
<高原校長>
原田美枝子
<甘利花の母>
戸田菜穂
<松原菜野花の母>
大沢逸美
<太田雄馬の父>
近藤良平
<榎木伸哉の父>
ピエール瀧
<音楽教師>
清水ゆみ

スタッフ

<監督>
前田哲
<製作>
佐藤直樹
<製作代表>
堀田学
大月昇
喜多埜裕明
<エグゼクティブ・プロデューサー>
馬場清
<プロデューサー>
椋樹弘尚
田中正
廣瀬和宏
小川勝広
<原案>
黒田恭史「豚のPちゃんと32人の小学生」(ミネルヴァ書房刊)
<脚本>
小林弘利
<音楽>
吉岡聖治
<撮影>
葛西誉仁
<照明>
守利賢一
<録音>
小野寺修
<美術>
磯見俊裕
<VE>
柳慎二
<編集>
高橋幸一
<音響効果>
小島彩
<スタイリスト>
小里幸子