ジミー・トン(ジャッキー・チェン)は、タクシー運転手。運転のテクニックと渋滞のぬけ道の知識は超一流だが、ハンドルを離せばドジで不器用。思いを寄せる画廊の美女に対しても、告白どころか食事に誘うことすらできずにいる。
ある日、スティーナと名乗る美女(デビ・メイザー)がジミーのタクシーに乗ってくる。彼女のメイクが終わるまでに目的地に着くというミッションに成功したジミーに、スティーナは自分のボスのお抱え運転手として働くよう命じる。今の4倍以上の給料がもらえると知り、ジミーは喜び勇んで仕事を引き受けることに。
いよいよ勤務初日。ボスに会う前にスティーナから細かい職務上のルールを説明され、堅苦しい制服に袖を通したジミー。しかし緊張気味の彼の前に現れたボスのクラーク・デヴリン(ジェイソン・アイザックス)は、気さくなジェントルマン。安心したジミーだったが、ひとつだけ守らなければいけない約束があった。それは、デヴリンの部屋の中央のガラスケースに収められた、クールなタキシードには指一本触れてはいけないというものだった。
いつものようにデヴリンを乗せて車を運転していたジミー。しかしデヴリンが秘密の仕事に関わる“何か”を手に入れたその直後、何者かによって車が爆破され、デヴリンは瀕死の重傷を負ってしまった。デヴリンの手で助けられたジミーは、彼から謎のメッセージとメモ、そして腕時計の形をしたリモコンのようなものを託される。
屋敷に戻ったジミーは、デヴリンが残した「ウォルター・ストライダー」というメッセージを調べようと彼の部屋へ。そこで、出来心から彼のタキシードを身につけてしまう。すると、格闘モードからエンターテインメントモードまで、腕に巻いたリモコンの表示のままにタキシードが勝手に動きだし、ジミーの身体を自在に操り始めたではないか! そのタキシードはハイテクの技を結集させた「スーパー・タキシード」だったのだ。
そこに、デヴリンが所属している組織CSAの新米エージェント、デル・ブレイン(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)から電話がかかってくる。こちらの言うことなど聞く気のない彼女に対して、咄嗟にデヴリンのフリをしてしまうジミー。CSAは、自らの利益のために人命を危機に陥れようとしている飲料水会社・バニング社について捜査中だった。成り行き上、ジミーはデルと一緒にバニング社の秘密会議を盗聴するという任務に赴くことに。
バニング社の社長・ディードリッヒ・バニング(リッチー・コスター)は、ひと口飲むだけで人間の肉体をカラカラに乾かしてしまうバクテリアを開発。それを世界中の水源にばら撒くことで、飲料水の需要を独占しようと企んでいた。もしその計画が実行に移されたら、どれだけの人間が犠牲になるかわからない! 盗聴には成功したデルとジミーだが、バニング社の男たちにアッサリ見つかり、2人はタキシードの力を使ってなんとかその場を脱出。伝説のエージェントのはずのデヴリンの様子がおかしいことに気付いたデルは、ジミーに対して疑惑を抱き始めていた。
魔法の力を持つタキシードの力を借りて、次々と難題をクリアしていくジミー。しかし、結局正体がバレてしまい、タキシードも取り上げられてしまうハメに!? 彼はデルの誤解を解き、バニング社の悪だくみを止めることができるのか!? デヴリンが残した「ウォルター・ストライダー」とは一体何なのか? バニング社の秘密の地下研究室を舞台に、ジミーが一世一代のバトルに挑む!


袖を通しただけで最強になれる魔法のタキシードに身を包み、ジャッキー・チェンが大暴れ! 製作はスティーブン・スピルバーグ率いるドリームワークス。共演のジェニファー・ラヴ・ヒューイットの好演も光る、ジャッキー印のアクション・コメディの登場だ。
そんなタキシードを“着こなす”ことを許されたのは、11月5日に出演100作目となる映画「1911」が公開されるジャッキー・チェン。香港時代から一貫して生身のアクションにこだわり続けてきたジャッキーが、「マトリックス」的なカンフー&VFXの融合に挑戦した記念すべき作品だ。とはいえ、そこは我らがジャッキー。本来は不器用なジミーが、スーパー・タキシードに半身を操られながらのバトルシーンなどでは、巻き込まれ型のダメ男の滑稽さと、キレのあるアクションを見事に共存させた愉快痛快な動きを披露。VFXを多用しているシーンでも、ジャッキーだからこそ可能になる器用で奇妙な身体の動きを炸裂させている。またお得意の歌や、彼にとって珍しい挑戦となるダンスも披露。しかもあのジェームス・ブラウンと共演してあんな曲まで歌っちゃうなんて、ファンにはたまらない特典も。とにかく全編に渡って、テンポの良いコミカルなアクションで楽しませてくれる。