ある夏の日。ひとりの少年が東京郊外に建つ古びた洋館にやってきた。彼の名前は翔(神木隆之介)。心臓を患い手術までの日を安静に過ごすために、祖母の妹である貞子(竹下景子)とお手伝いさんのハル(樹木希林)の暮らす家にしばらくお世話になることになったのだ。家族はバラバラで、寂しさを抱えて生きていた翔。家に到着した日、翔は葉っぱと同じくらいの小さな女の子の姿を目撃する。
14歳のアリエッティ(志田未来)は、貞子の家の床下で父のポッド(三浦友和)と母のホミリー(大竹しのぶ)と3人で暮らしている。彼らは人間の家から砂糖やティッシュペーパー、電気など生活に必要なものをほんの少しずつ「借り」て生活している「借りぐらし」の小人たち。その夜、アリエッティはポッドに連れられて初めて人間の家に「借り」に行くことに。大人への第一歩となる冒険のはじまりに、ワクワクが抑えられないアリエッティ。ポッドが整備した地下の通路を通って、まずはキッチンのシュガーポットから角砂糖をひとつ拝借。そして翔の寝室からティッシュペーパーを1枚取ろうとした時…。目を覚ました翔から突然声をかけられたアリエッティは、あせって角砂糖を床に落としてしまった。「決して人間に姿を見られてはいけない」という家族の掟を破ってしまい、落ち込むアリエッティ。
翌日、アリエッティたちの家の入口に角砂糖がひとつと小さな手紙が届く。それは翔からアリエッティへのプレゼントだった。しかし、過去にも人間に姿を見られて数々の仲間たちがいなくなっていった。自分たちの存在が人間にバレたからには住み慣れた家を引っ越さなければならない…落ち込む母を前にこれ以上人間に近づいてはいけないと思いながらも、アリエッティは好奇心を抑えることができず翔の寝室へ。翔と会話をかわすうち、彼の優しさと寂しさに触れたアリエッティは彼に惹かれていく。アリエッティが翔に興味を抱いていることを知ったポッドは、家族を守るためにこの家から引っ越すことを心に決める。
一方、アリエッティに興味を抱いた翔は、貞子から家にかつて小人が住んでいたことを知らされる。翔の部屋にはその小人のために作られた精巧なドールハウスが飾られていた。そのドールハウスを見て、あるアイディアを思いつく翔。同じくアリエッティたちの存在に気付いたハルは、彼らの尻尾をつかみ小人退治をしようと目論んでいた。
同じ頃、引っ越し先を探している途中で怪我をしたポッドは、森で暮らす小人のスピラー(藤原竜也)に助けられる。近くには住んでいないと思っていた小人に出会い、喜びを隠せないホミリー。大切に過ごしてきたこの家は名残惜しいが、別の場所には別の生き方があるのかもしれない。スピラーとの出会いを機に、アリエッティ一家の引っ越し準備は着々と進んで行く。そんなある日、アリエッティの家の台所が何者かによって“リフォーム”された。翔がドールハウスのキッチンを、誰にも相談することなく半強制的に“貸し出し”たのだ。しかしその翔の純粋な善意がきっかけとなり、ホミリーがハルにさらわれてしまった!!
ホミリーを助けるために翔とともに再び人間の家に潜入するアリエッティ。やはり人間と小人は共存することはできないのか? アリエッティと翔は、それぞれに小さな大人の階段を上ろうとしていた…。



妖精でもない、魔法使いでもない。普通の小人たちが家の床下に暮らしていたとしたら…? イギリスの作家、メアリー・ノートンによる児童文学「小人の冒険シリーズ」の第一作「床下の小人たち」の舞台を現代の日本に翻案。東京郊外の古い一軒家の床下でつつましく暮らす小人の一家の長女・アリエッティの冒険と小さな恋を描き、ロングランヒットとなったスタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」が待望のテレビ初登場!
釘や針、万年筆の先やボタン、豆電球や安全ピンなど…。人間がうっかり失くしたり落としたりしたものを拾い集めたり、時には家に狩りならぬ「借り」に出て必要なものを集めたりして暮らしている小人たち。窓の外にはお気に入りの風景写真を飾るなど創意工夫が満載の彼らの家は、地下であることを感じさせない光とぬくもりに溢れている。水も食料もこまごまとした日用品も、すぐに手に入ることが当たり前になっている私たちからは想像もできないほどひとつひとつを大切に暮らしている彼らの姿に、気持ちが優しく温かくなるはずだ。