ある朝。若くして会社を経営する七海(松嶋菜々子)は、見知らぬ場所で目を覚ます。自分が何も身につけておらず、しかも前夜の記憶がまるでないことに狼狽した彼女は、その部屋の持ち主・ジュノ(ソン・スンホン)を平手打ちにし、無言でその家を後にする。
出社した七海は、同僚で親友の未春(鈴木砂羽)から自分がその若い韓国人男性をナンパしたと聞かされ、ビックリ。社員が開いてくれた誕生パーティで飲み過ぎて気分が良くなった七海を、その男性は助けてくれた上に、車で家に送ろうとしてくれたというのだ。彼は車の中で眠ってしまった七海を、仕方なく自宅に泊めてくれただけだった。自己嫌悪に陥った七海は、謝罪のために彼の家を訪れることに。
その青年・ジュノは、陶芸を勉強するために来日した芸術家。彼の人柄を表わすような温かさに満ちた彼の作品をひと目で気に入る七海。ジュノも七海に惹かれるようになり、2人はいつしか恋人同士に。ジュノの住む一軒家に仕事を終えた七海が帰り、毎日朝を一緒に迎えるようになるまでに時間はかからなかった。ジュノと一緒に過ごす最高に幸せな時間をかみしめる七海だったが、ひとつだけ、彼に素直に伝えられない言葉があった。それは「愛している」というひと言。その言葉を口にすると、幸せが逃げてしまいそうで怖かったのだ。そんな七海の気持ちを知ったジュノは七海にプロポーズし、2人は古びた教会で即席の結婚式を挙げる。
そして出会いから1年後の七海の誕生日。家路を急ぐ七海のバッグがバイクに乗った男・黒田(橋本さとし)に奪われ、その拍子に彼女は頭を打って死亡。嘆き哀しむジュノのそばを離れることはできず、七海はゴーストとなってこの世に残ることに。
警察は、ジュノが七海の遺産を狙って彼女を殺したのではないかと容疑をかけていた。汚名を晴らしたいと焦る七海の前に、黒田が現れる。彼を尾行して自分が計画的に殺されたこと、そしてジュノも狙われていることを知る七海。どうすればジュノに真実を伝えることができるのだろうか…悩んだ七海の目に飛び込んできたのは「霊媒師・運天五月」という看板。これまで詐欺まがいの手口で大金を稼いできた運天(樹木希林)だったが、鑑定の最中に七海の声をキャッチする。しつこく付きまとう七海の声に負けて、運天は七海とともにジュノの家へ。最初は疑いの目で見ていたジュノだが、七海しか知らないはずの数々の出来事を運天が口にするのを聞いて、彼女を家に招き入れる。七海に言われるままに、犯人の名前と事務所の住所をメモに書きつける運天。半信半疑のジュノは、そのメモを手に未春に相談に行くのだが…。
未春にも信じてもらえず、自分の足で黒田の事務所へ向かったジュノは、力づくで事務所を追い出された上、警察に捕まってしまう。そして、運天が前科持ちの詐欺師だったことを知るジュノ。一方、七海は黒田の事務所で信じられない人物を目にすることに!
もう一度、力を貸してもらうために運天のもとを訪れる七海。そして彼女は、自分が死亡した時に運び込まれた病院で“生きて”いるゴーストの少女(芦田愛菜)が現実の物体を動かしていたことを思いだし、その少女に弟子入り。少女から物体を動かすコツを教わり、自らを殺した相手への復讐のために立ち上がる。
本当にこの世を去ってしまう前に、愛するジュノを守りたい。そして彼に「愛している」と伝えたい…。そんな七海の思いの行きつく先は…?


パトリック・スウェイジ&デミ・ムーア主演の大ヒット恋愛映画「ゴースト ニューヨークの幻」の公開から20年。物語の舞台を現代の日本に移し、大人の女性の愛のあり方をよりフィーチャーして新たに生まれ変わった「ゴースト もういちど抱きしめたい」が、テレビ初登場。松嶋菜々子&ソン・スンホンという美しいカップルが奏でる、切なく優しい愛の物語だ。
ドラマ「家政婦のミタ」での好演が話題となった松嶋菜々子が、気が強くキュートな部分もあるヒロイン・七海を熱演。「最高に幸せ」な瞬間に見せる笑顔は本当に美しく、しっとりと心を打つ。彼女を受け止める恋人のジュノ役には、ドラマ「秋の童話」でブレイクした韓国人イケメン俳優、ソン・スンホン。女子の眼差しをたくましい胸板で釘づけにするはず。そしてオリジナル版でウーピー・ゴールドバーグがアカデミー助演女優賞を獲得した霊媒師役に、樹木希林。衣装やカツラまで自分で準備して作り上げたという運天五月のキャラクターは絶妙にコミカルで、彼女が画面に登場するだけでワクワクしてしまう。クライマックスのある名シーンで、ガラリと表情を変える瞬間の演技にも注目だ。また、物語をサスペンスフルに盛り上げる鈴木砂羽、橋本さとしら演技派に、天才子役・芦田愛菜が七海の師匠となるゴースト役で登場。ジュノが粘土を作りに行っている病院の患者役で鈴木福も出演。「おにいちゃん」とジュノに甘える可愛らしい演技は見逃せない。ほか、森三中の黒沢かずこや宮川大輔、白川由美と豪華な顔ぶれが勢ぞろいした。監督はドラマ「銭ゲバ」「ドン★キホーテ」などを手掛け、今回が映画初監督となる日本テレビの大谷太郎が務めた。