タイの郊外にある小さな村で、謎のウイルスが蔓延。感染した人間は全身に発疹を発症し、血を流しながら死に至るという恐ろしい殺人ウイルスだ。L(松山ケンイチ)と同じ孤児院出身のF(波岡一喜)がその村を調査中、何者かにより村が爆破される。Fは、天才的な数学の頭脳を持つ少年・BOY(福田響志)に自分のすべてを託して、彼を村から脱出させた。
アジア感染症センターでは、二階堂博士(鶴見辰吾)の娘・真希(福田麻由子)が父親の研究室を訪れていた。ウイルス研究の世界的権威である二階堂は、同僚の久條(工藤夕貴)とともに、ある感染力の強いウイルスを調査することに。そのウイルスこそ、タイの村にばら撒かれたウイルス兵器。しかし、感染を止めるための抗ウイルス剤はまだ開発されていなかった。
一方。夜神月(藤原竜也)の事件を解決する代償として、ワタリ(藤村俊二)を失い、自らの名前をデスノートに書き込むことになったL。彼に残された時間は23日。Lはデスノートを焼却し、ワタリが遺した未解決の事件ファイルを片っ端から片付けていく。
同じ頃、環境保護団体の的場(高嶋政伸)は、団体のリーダー・加賀見(石橋蓮司)のもとへ。彼らは自然環境を守るために人類の数を減らす“地球浄化計画”という過激な思想のもと、活動を続けてきた。しかし、的場は加賀見に反発し彼を殺害。彼はより効率的な方法で、“地球浄化計画”を進めようとしていたのだ。
ある日、Lの元にFからの“贈り物”=BOYが届けられる。成り行き上、彼を引き取ることになるL。子どもとの接し方がわからないLは、お菓子を餌にBOYの胸のペンダントを開けることに成功。その中のSDカードに入っていたFからのメッセージによると、タイの村を壊滅状態に陥らせたウイルス兵器には的場が関係しているという。
一方、タイで使用されたウイルスが自らが開発したものだと気付き、命の危険を察知した二階堂博士は、真希に研究データと“宿題”という名の暗号を持たせて彼女を送り出す。その夜、的場たちがアジア感染症センターを襲撃。あろうことか、久條が的場と内通していたのだ。二階堂が開発に成功した抗ウイルス剤を、真希の命と引き換えに渡すよう迫る的場と久條。二階堂は、真希と抗ウイルス剤を守るため、自らにウイルス兵器を接種。壮絶な父の最期を目撃してしまった真希は、父の“宿題”を解読し、ワタリのもとを訪れる。
真希の居場所を探るため、Lと連絡を取るKこと久條。その通信の映像を解析していたLは、久條の狙いを直観する。一方、Lと真希の居場所を知った久條は彼らのもとへ。父を殺した久條を前に逆上した真希は、自分の身体に父から託されたウイルスを注射。そんな彼女を守るため、Lは真希とBOYを連れて裏口へ。そこに現れたFBI捜査官の駿河(南原清隆)の助けを借りて、彼らの逃亡生活が始まった。
開発中の抗ウイルス剤を二階堂から接種されていたお陰で、一時的に真希はウイルスの発症をまぬがれていた。しかしその状態がいつまで続くか、予断は許さない状況だ。二階堂の研究仲間だった松戸(平泉成)に、抗ウイルス剤の開発を依頼するL。一方、久條はマスコミの力を使って、Lと真希をあぶり出す作戦に出る。
次第にLたちに迫る久條の包囲網。早急に抗ウイルス剤を開発しなければ、真希が命を落とすだけでなく、本当に日本中が未曽有の事態に陥ることになる! Lの“最期の日”まであとわずか。真希の命と傷ついたBOYの心を救い、久條と的場の暴走から世界を守るため。そして自分自身のために。Lの最期の戦いの果てに待つものとは…?


2006年に日本映画初となる前後編で公開され、社会現象ともなった「DEATH NOTE デスノート」。なかでも強い印象を残したのが、天才犯罪者・夜神月と対決する得体の知れない探偵・Lを演じた松山ケンイチだ。彼が綿密な役作りで生みだしたLは圧倒的な人気を集め、ブレイクのきっかけともなった。そのLを主人公にしたスピンオフ・ムービー「L change the WorLd」は、原作にはないオリジナルの物語。昨年だけで主演映画が4本公開、今年のNHK大河ドラマ「平清盛」にも主演と今最も旬な若手俳優・松山ケンイチの原点的な作品だ。
Lが最期の日々を共に過ごすことになるのは、最も苦手とする“子ども”。彼らとの逃亡生活を通して、少しずつ変化していくLの気持ちも丁寧に描かれる。自分を含むすべての人間に興味のなかったLが、自分の意思で他者を守ろうと決意。死を目前にして初めて生きる意味を知ろうとしている、一人の青年の成長を描くヒューマン・ドラマとしても見ごたえ満点。