1845年、カナダ。驚異的な治癒能力と圧倒的な戦闘能力を持つ超人類・ミュータントとして生まれたローガン。ある出来事を機に、手の甲から鋭い爪を出すという特殊能力を覚醒させた彼は、獣のような牙と爪を持つミュータントである兄のビクターとともに故郷を後にした。
成長したローガン(ヒュー・ジャックマン)とビクター(リーヴ・シュレイバー)は、命知らずの戦士として南北戦争から第一次・第二次大戦、ベトナム戦争と戦場を転々としていた。その間、ビクターは次第にその凶暴性を増していき、ローガンの手に負えないほどに。軍隊にもいづらくなった2人に手を差し伸べたのは、正体不明の軍人・ストライカー(ダニー・ヒューストン)。彼はミュータントだけを集めた特殊部隊「チームX」を編成していた。ローガンとビクターは、二刀流を操るウェイド(ライアン・レイノルズ)やテレポーテーション能力を持つライス(ウィル・アイ・アム)、電気を自在に操作できるブラッドリー(ドミニク・モナハン)らとともに、様々な闇の任務をこなすことに。しかし、彼らのやり方に疑問を抱いたローガンは、チームを離脱。ビクターと別れて自分自身の人生を歩む道を選んだ。
6年後。ローガンは、カナダの山奥で教師のケイラ(リン・コリンズ)と穏やかに暮らしていた。特殊能力に頼ることなく手に入れた幸せな生活が永遠に続くかと思われた矢先、彼の元をストライカーが訪ねてくる。「チームX」を離れたビクターが仲間たちを次々に殺害しているというのだ。数日後、ビクターがローガンの前に姿を現し、ケイラを殺害。怒りに我を忘れたローガンはビクターに戦いを挑むが、完膚なきまでに叩きのめされてしまう。
ストライカーに勧められるままに、最強のパワーを手に入れる手術に同意するローガン。それは彼の骨格に超金属・アダマンチウムを移植するという過酷なものだった。鋼鉄の爪を手に入れ、ケイラから教えられた先住民の伝説になぞらえて「ウルヴァリン」と名を変えたローガン。しかしその手術は、ストライカーの巨大な陰謀の序章にしか過ぎなかったのだ。自分がストライカーに利用されたことを知ったローガンは、彼の研究所を脱走。心優しき老夫婦の家に転がり込むが、ストライカーの手先である殺し屋、エージェント・ゼロ(ダニエル・ヘニー)が追跡。死闘の末にゼロを倒したウルヴァリンは、ビクターへの復讐を果たすため、元「チームX」のライスとフレッド(ケヴィン・デュランド)のいるラスベガスへ向かった。
そこでウルヴァリンが知らされたのは恐るべき事実だった。ストライカーがある島にミュータントを収容・監禁して何らかの実験を行っているということ。そして「チームX」を離脱したはずのビクターが、ストライカーのもとでミュータント狩りをしているということ…。ビクターは各地のミュータントを襲撃し、彼らのDNAを採取し続けていたのだ。ストライカーのアジトがある島から唯一脱走したという青年・レミー(テイラー・キッチュ)を探し出したウルヴァリンは、レミーの力を借りてその島・スリーマイルへ。そして遂に、ストライカーの研究所に侵入するのだが…!
ウルヴァリンを待ち受けるのは衝撃の再会と、ストライカーが生み出した史上最強の敵。果たして彼はストライカーを倒すことができるのか? そして愛憎うずまく兄弟の悲しきバトルの行方は? ウルヴァリンの永遠に続く戦いの歴史は、始まったばかりだった!!


普通の人間とは違った能力を持って生まれたがゆえに、孤高の人生を歩まざるを得なくなったミュータント=超人類たちの戦いを描く「X-MEN」。シリーズ3部作に続き、主人公であるウルヴァリンの誕生秘話を描いた本作、そしてX-MENの指導者たちの若き日を描いた「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」と次々にスピンオフが製作されている超人気シリーズだ。なかでもこの「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」は、過酷な運命に翻弄される男の愛と復讐のドラマと、心躍るアクションが見事に融合した名作だ。
オープニングタイトルの南北戦争からベトナム戦争に至る数々の戦争の描写(「プライベート・ライアン」さながらのノルマンディー上陸作戦は本格戦争映画の迫力だ!)など、ド迫力のバトルシーンにも注目。CGを最小限に抑えた生のアクションが炸裂するハーレーとヘリのチェイスシーンから、一転してCGを効果的に使った最強の敵と兄弟のバトルを描くクライマックスまで。そして、ある会議室でミュータントのウェイドが二刀流を駆使して銃弾をかわしていく場面のクールさと言ったら! スピーディーでパワフルな展開の連続に大興奮だ。