時は22世紀。元海兵隊員で戦闘時の負傷により車椅子生活を余儀なくされているジェイク(サム・ワーシントン)は、地球から5光年の距離にある美しい星・パンドラに派遣された。突然亡くなった彼の兄が関わっていた「アバター・プロジェクト」に参加するという以外は何も聞かされていなかったが、退役以来すさんだ日々を送っているジェイクにとって、暮らす場所が地球でなくなることは大きな問題ではなかった。
「アバター・プロジェクト」とは、パンドラの地下に眠る高い価値のある鉱物・アンオブタニウムを手に入れるために、資源開発企業・RDAが傭兵を雇い進めている計画だった。彼らは人体にとって有毒な大気が充満しているパンドラに侵入するために、パンドラに住む種族・ナヴィと人類のDNAを掛け合わせて作られた肉体である「アバター」に人間の意識を送り込むシステムを開発。「アバター」を使ってナヴィとともに生活しながら彼らを説得し、アンオブタニウムを採掘するために「転居」してもらうというのがプロジェクトの最終目標だった。ジェイクが課せられた任務は、兄の代わりに「アバター」となってナヴィの共同体に入り込むこと。プロジェクトの責任者でありパンドラの植物の生態を研究している植物博士・グレース(シガーニー・ウィーバー)は、何の訓練も受けずにやってきたジェイクに対して不信感を隠そうとしない。一方、傭兵部隊を率いるクオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)は、ジェイクに軍側にも独自の調査報告を提出するよう義務付ける。
そして初めてジェイクの精神と「アバター」の肉体がリンク。想像以上の適合力を見せたジェイクは、周囲の静止を振り切って早速パンドラの大地に降り立った。久しぶりに自らの足で歩き、走る快感を味わうジェイク。そしてグレースとともに、パンドラの森の中へ…。そこには彼が見たこともない植物や動物が息づいていた。森の恐ろしさを知らずに獰猛な動物に向かっていったジェイクは、仲間とはぐれて森の奥深くへ。そこで動物に襲われそうになったところを、ナヴィの族長の娘・ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)に助けられる。彼らにとって大切な森を破壊し、パンドラを侵略しようとしている人類を敵視しているネイティリはジェイクへの敵意をむきだしにするが、不思議な力を持っている彼女の母親がジェイクを受け入れることに決定。ネイティリはジェイクのハンターとしての適性を見極めることになる。
翌日からジェイクのハンター修業が始まった。自然と共に生き、そしていつか自然に“還る”ために、すべての生物への尊敬の念を忘れずに暮らしているナヴィ。彼らは動物の命を奪う時にもできる限り彼らに苦痛を与えない方法を知っており、また動物や植物と心を通わせる方法をも会得していた。ナヴィの共同体での様々な教えや狩りの心構えを学ぶうち、生きている実感を取り戻していくジェイク。同時に彼はネイティリの心の美しさに惹かれていった。しかし彼の使命はナヴィの住み処を奪うこと。良心の呵責に耐えきれずジェイクは苦悩する。一方、グレースもクオリッチ大佐やRDAのメンバーのやり方に強い疑問を抱くようになっていた。
そんな中、ジェイクやグレースの努力もむなしく、クオリッチ大佐たちはナヴィへの侵攻を決定。反抗したジェイクはアバターとのリンクを断ち切られ、監禁されることに。そして遂に軍の総攻撃が始まった! ジェイクたちは本部を抜け出し、再びナヴィのもとへ向かうが…。
軍隊が狙うのは、ナヴィの精神の支柱であるホームツリー。ジェイクは人類の手から美しいパンドラの自然を守ることができるのか? ネイティリとの愛の行方は? ジェイクとネイティリの決断に、パンドラの未来が託された!


スクリーンから文字通り「飛び出す」驚異の映像力で観客を圧倒し、公開と同時に記録的な大ヒットを達成。第82回アカデミー賞で9部門ノミネート、3部門受賞し、その後の映画のあり方をガラリと変えた「アバター」。「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が構想14年、製作に4年をかけて完成させた超大作が、なんとノーカットで地上波初登場だ。
そして本作で映像以上に注目すべきなのは、誰もの心に響くストーリー。核となっているのは主人公ジェイクの心の成長だ。戦闘で下半身不随になり心を閉ざしていたジェイクは、自然とともに生きるナヴィの伸びやかな精神に触れ、少しずつ心の傷を癒していく。そしてネイティリとの愛を通じて、たくましく成長していくのだ。身分の違う2人の恋模様は「タイタニック」同様、女性のハートを虜にするはず。また、任務と正義の間で葛藤するジェイクの姿も共感度大。異なった文化を持つ者同士の共存の可能性や、自然と人類の共生といった壮大なテーマを絡めながら、物語はドラマティックに展開していく。