時は1949年。第二次大戦が直前で回避された日本の首都“帝都”では、華族たちを中心とする富裕層が富を独占し、多くの人民が飢えや貧困にあえいでいた。そんな中、突如として現れた金持ちばかりを狙う大怪盗・怪人二十面相は、帝都の富裕層を恐怖に陥れ、貧民たちにわずかな希望を与えていた。
ある日、無線送電システム“テスラ装置”の小型模型を使ったデモンストレーション中の学術会議場から、“テスラ装置”が盗まれた。犯人はもちろん、怪人二十面相。名探偵・明智小五郎(仲村トオル)と彼の助手の小林芳雄(本郷奏多)、そして浪越警部(益岡徹)が現場検証を行うが、そこには変装用のマスク以外の証拠は残されていなかった。
その頃。サーカスの曲芸師として活躍している平吉(金城武)の元に、顔に傷のある老紳士(鹿賀丈史)が訪ねてきた。あるゴシップ誌の記者を名乗る彼は、平吉の華麗な身のこなしを見込んである仕事を依頼する。それは数日後に行われる明智と羽柴財閥の跡取り娘・葉子(松たか子)の結納を隠し撮りするというもの。サーカス団員の一人(小日向文世)が患っている病気の治療代が稼げるのなら、と、平吉はそのアルバイトを引き受けることに。
明智と葉子の結納当日。二十面相から、羽柴家に伝わる「バベルの塔」の絵画を盗み出すという予告状が届いた。軍警による厳重警備の中、羽柴ビルの屋上に侵入した平吉が、結納の瞬間を撮影しようと謎の紳士から渡されたカメラのシャッターを切ると…! 突然、ビルが爆発。明智と軍警の手で取り押さえられた平吉は、怪人二十面相として逮捕されてしまった。
留置場に入れられた平吉は、二十面相は顔に傷を持つ初老の紳士だという噂を耳にする。平吉を陥れたあの男が怪人二十面相なのか…。その後、サーカスのカラクリ師であり実は泥棒である源治(國村隼)によって救出される平吉。しかし泥棒を嫌う平吉は、源治たちに暴言を吐いて彼らが住む長屋を飛びだしてしまう。
サーカスに戻った平吉が目にしたのは、軍警により焼き払われたテントと大切にしていた鳩の死がい。行き場を失い、サーカスで働いていたシンスケ(今井悠貴)とともに、親を失った子どもたちが暮らす“ノガミ”を訪れる平吉。そこで子どもたちの窮状を目にした平吉は、彼らを救うために“怪人二十面相”に復讐することを決意。源治に頭を下げて、彼らに伝わる秘伝の書を借り、最高の泥棒になるための修業を開始する。
そんな中、ウェディングドレスの仮縫い中の葉子の前に、怪人二十面相が現れた! 葉子を助けようと、二十面相に戦いを挑む平吉。しかしそこに現れた軍警に包囲され、葉子とともに泥棒長屋に逃げ帰るはめに…。
葉子にとって、初めて目にする長屋や“ノガミ”の暮らしは想像の範囲外。彼らに何かをしてあげたいと願う彼女の言葉に最初は反発するが、彼女の思いが本物だと知り、少しずつ心を開いていく平吉。そんな平吉に、葉子は自分が怪人二十面相に狙われた理由を告白する。
葉子の告白を受けて、平吉と源治は明智の家に隠された本物の「バベルの塔」を盗み出すことに。しかし、あとわずかのところで計画は失敗。葉子は明智と小林少年にも協力を仰ぎ、祖父の代から羽柴家に伝わる実物大の“テスラ装置”を怪人二十面相の手から守り、今度こそ二十面相を逮捕するために、軍を相手にした壮大な計画を実行に移すことになる!
果たして、“テスラ装置”はどこにあるのか? 怪人二十面相の正体と目的とは? 平吉は汚名を返上し、元の平和な生活を取り戻すことができるのか?


日本のエンターテインメント史に燦然と輝くダークヒーロー・怪人二十面相には、思いがけない裏の顔があった!! 江戸川乱歩による原作をこよなく愛する作家・北村想による「怪人二十面相・伝」が、「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフの手で実写映画化。金城武×松たか子×仲村トオルという実力派スターが顔を揃えた、アクション超大作が地上波初登場だ。
そんな作り手の思いを真っ正面から受け止めた役者たちの演技も、イキイキとして見ごたえ抜群。特に、ちょっとヌケているヒーロー・平吉を演じた金城武は、彼の魅力であるピュアなチャーミングさを爆発させ、女性だけでなく男性をもキュンとさせるチャーミングなヒーローを生み出した。自ら様々なアイディアを出したというアクションシーンも、お楽しみに。そんな彼のライバルである、名探偵・明智小五郎を演じた仲村トオルも大人の魅力で絶品。そしてそんな2人の間で“良家の子女”らしく常にマイペースを保つヒロイン、葉子役の松たか子が、オキャンで気が強い淑女を魅力的に体現している。