となりのトトロ
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となりのトトロ

一瞬で誰もを幼かったあの日に戻してしまう魔術師・宮崎駿監督からのすてきなプレゼント

個性豊かなキャラクターが大空を飛びまわる!何度観ても色褪せることのない不朽のファンタジー

となりのトトロ タイトルを耳にしただけで、軽快なテーマソングとともに透き通った青空が胸の中に広がり、瑞々しい木々を揺らす風が身体中を吹き抜ける…。そんな魔法のようなパワーで、世代も時代も超えて観る者を虜にし続けている「となりのトトロ」。6日に放送の「千と千尋の神隠し」と是非セットで楽しんでほしい、夏休みのはじまりにピッタリのファンタジーだ。

「千と千尋」とは一見まったく別物のように見える「トトロ」だが、実は数ある宮崎駿監督作の中でも共通点が多いのがこの2作。例えば作品の冒頭。主人公たちの冒険が、引っ越し途中の車窓の風景の変化からはじまっていたり。あるいは、サツキとメイが木々のトンネルを抜けてトトロに会いにいくように、日常の思わぬ場所にポッコリと空いている「トンネル」が不思議の世界の入口になっていたり。「トトロ」が生んだ人気キャラクター、まっくろくろすけこと「ススワタリ」が、「千と千尋」にも出演していたり。少女たちの純粋でひたむきな思いが、自然に宿っている大きな存在を動かすほどの力を持つという物語の核となる部分にいたるまで。10年以上の時を経て制作された2つの作品を見比べてみると、世界中で愛されている宮崎アニメの魅力の秘密が少しわかってくるだろう。

となりのトトロ そんな宮崎アニメのエッセンスがたっぷり詰まっている「トトロ」の最大の魅力は、見た目も性格も個性的なキャラクター。家族の母親代わりを務めるしっかり者のおねえちゃん、サツキ。自由奔放な性格でありながら、ススワタリやトトロを発見する驚異の集中力を持ち合わせている妹のメイ。2人の成長を穏やかに見守るおとうさんとおかあさん。サツキの近所に住む同級生のカンタと、サツキとメイを温かく導く彼の祖母。サツキの友人たちや学校の先生、迷子になったメイを探しに出かけたサツキが出会う農夫やカップルにいたるまで。宮崎駿監督が「トトロ」は3歳くらいのすべての子どもが観るべきだと豪語しているだけあって、登場するすべてのキャラクターが、表情だけで性格まで把握できるように計算し尽くされている。

そして、画面に現れるだけで誰もをワクワクさせるトトロと、トトロに勝るとも劣らない人気を誇るネコバスのキモカワっぷり! 風に乗るのではなくて風そのものに「なってる」トトロとネコバスのイキイキとした飛翔シーンを観ていると、私たちの身の回りを吹きぬけている風も、トトロやネコバスなのかも…なんて思えてくるはず。ところで、トトロのキャラクターは宮沢賢治の童話「どんぐりと山猫」を読んで宮崎監督の頭に浮かんだ情景から生まれたそうだが、もうひとつのキーワードである「どんぐり」も名脇役として活躍するのでお見逃しなく。

映画史に残ると言っても過言ではないほど美しい雑木林や、サツキがトトロに傘を貸すバス停がある道は、埼玉県所沢市で宮崎監督が散歩中に出会った風景。サツキとメイが住んでいる「マツゴウ」という地名も所沢市に実在しているし、所沢市とお隣の東村山市の間には「七国山」ならぬ「八国山」という地名があり、今にもトトロが出てきそうな雑木林を散策することができる。もちろん所沢に限らず、トトロはあなたの身近のどこにでも隠れているはず。そんなふうに強く信じることができる、子どものようにまっさらな心に戻らせてくれるのが、「トトロ」の持つ一番不思議な魔力なのだ。

お化けの住む家に引っ越してきたサツキとメイが出会ったのはコワくて不思議ないきもの

となりのトトロ カラリと晴れた5月のある日。田舎道を走るオート三輪に乗っているのは、小学六年生のサツキ(日高のり子)と妹のメイ(坂本千夏)、そしておとうさん(糸井重里)。彼ら一家は近くの病院に入院しているおかあさん(島本須美)の退院に備えて、空気のきれいな土地に引っ越してきたのだ。おとうさんが見つけてきたのは今にも壊れそうなオンボロ屋敷だったが、サツキとメイは大ハシャギ! 早速おとうさんに家中のドアや窓を開けるように言われた2人は、家の中で小さくて、真っ黒で、ゾワゾワーと動く不思議なお化けを発見する。隣の家のおばあちゃん(北林谷栄)によると、そのお化けは「ススワタリ」といって古い家を煤だらけにしてしまうらしい。サツキは新しい家がお化け屋敷ではおかあさんが嫌がるのではないかと心配するが、その話を聞いたおかあさんは大喜び。その笑顔に背中を押されるようにして、サツキとメイの新しい生活がスタートした。

サツキの学校が始まったある日。庭でドングリを拾って遊んでいたメイは、2匹の奇妙ないきものと出会う。彼らを追いかけて、木のトンネルを抜け、大きな楠の根元に開いた穴に転がり落ちたメイが目にしたのは…とても大きくてフカフカとしたお化けだった! そのお化けを「トトロ」と名付けたメイは、そこでトトロと一緒にお昼寝。でもメイが目覚めると、トトロの姿は消えていた。トトロにはいつでも誰でも会えるわけではないというおとうさんの言葉を聞いて、メイも納得。サツキはそんなメイをうらやましく思うのだった。

となりのトトロ そして季節は梅雨。サツキとメイは傘を持たずに学校に行ってしまったおとうさんを、バス停まで迎えに行くことに。しかし予定のバスにはおとうさんは乗っておらず、そのうち眠くなったメイはサツキの背中で眠ってしまう。バス停でサツキが途方に暮れていると、隣に毛むくじゃらの巨大ないきものがやってきた! トトロだ! そしてそこに現れたのは…道なき道を走り抜ける不気味な「ネコバス」。サツキからおとうさんの傘を借りたトトロは、そのお礼にと木の実がたくさん入った包みを渡して、ネコバスに乗って去っていく。

2人がトトロからもらった木の実を庭に植えて、しばらく経ったある夜。サツキとメイがふと目を覚ますと、庭でトトロたちが不思議な踊りを踊っていた。どうやら木の実を育てる魔法の踊りらしい。見よう見まねで2人が踊りに加わると、みるみるうちに木の実が芽を出し、その芽はやがて1本の大きな木に…。トトロに促されるままに、夜の大冒険に旅立つサツキとメイ。すてきな夢に心躍らせた2人は、翌朝、木の実が小さな芽を出しているのを発見する。トトロと過ごした時間は、夢だけど、夢じゃなかったのだ!!

そして夏がやってきた。おばあちゃんと畑仕事に出かけたサツキとメイのもとに、おかあさんの病院から一通の電報が届く。おかあさんが体調を崩し、退院の日が延びてしまったというのだ。売り言葉に買い言葉でサツキと大ゲンカしたメイは、自分で収穫したトウモロコシを届けておかあさんに元気になってもらおうと、一人で病院に向かって走りだすが…。

メイがいなくなったと大騒ぎになる村。サツキもメイを探して病院への道をひた走るが、メイはどこかで迷子になってしまったようだ。トトロなら助けてくれるかもしれない…トトロの森に向かったサツキに、再び“すてきな冒険”が訪れる!

となりのトトロ

キャスト

<サツキ>
日高のり子
<メイ>
坂本千夏
<とうさん>
糸井重里
<かあさん>
島本須美
<ばあちゃん>
北林谷栄
<トトロ>
高木均
<カンタの母>
丸山裕子
<先生>
鷲尾真知子
<本家のばあちゃん>
鈴木れい子
<カンタの父>
広瀬正志
<カンタ>
雨笠利幸
<草刈り男>
千葉繁

スタッフ

<製作>
徳間康快
<企画>
山下辰巳
尾形英夫
<作画>
佐藤好春
<美術>
男鹿和雄
<音楽>
久石譲
<歌>
「さんぽ」
作詞/中川李枝子
「となりのトトロ」
作詞/宮崎駿
作・編曲/久石譲
歌唱/井上あずみ
<仕上>
保田道世
<撮影>
白井久男
<編集>
瀬山武司
<録音演出>
斯波重治
<プロデューサー>
原徹
<原作・脚本・監督>
宮崎駿