崖の上のポニョ
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崖の上のポニョ

日本中に愛される“まんまるおなかの女の子”の愛と冒険のファンタジー!

すべての“子どもたち”とその母に贈る不思議がいっぱいの現代の童話

崖の上のポニョ 2007年の年末、主題歌が発表されるやいなや日本中を熱狂の渦に巻き込み、2008年夏の公開と同時に大ヒットとなった「崖の上のポニョ」。5歳の少年と少女を主人公に、宮崎駿監督が「となりのトトロ」以来20年ぶりに生みだした子どものためのファンタジーだ。

物語は、小さなさかなの子が厳しい父親に反発して家出をするところから始まる。波に乗って泳ぎついた海岸で出会った幼稚園生の宗介から、「ポニョ」と名付けられた。一度は父親の手で海に連れ帰られたポニョだったが、大好きな宗介に会いたいというピュアな恋心に突き動かされて再び家出を決意。しかし、ポニョが意図しないままに解き放ってしまった魔法の力で海は原始の荒々しい姿を取り戻し、宗介の住む町は大変なことに…。

好きなものは好き。やりたいことはやりたい。自分の感情を疑うことなく一直線に突き進むポニョと宗介。子どもたちの目に映る世界は、こんなにも不思議に満ちていて、同時にこんなにもシンプルなのかと、思わずハッとさせられる。5歳の子どもたちにとっては、小さなさかなの子が魔法の力で人間の少女になることも、目を閉じている間におかあさんが美味しいラーメンを作ってくれることも、同じくらいワクワクできる出来事なのだ。

崖の上のポニョ そんな子どもたちを大きな心で受け止める「おかあさん」も、とにかくステキ。目の前で起こっている理解不能な現実をサラリと受け止め、子どもたちの言葉をきちんと正面から受け止める優しくたくましい宗介の母・リサ。そして愛娘・ポニョの成長を一歩引いた場所から見つめ続ける、海の母・グランマンマーレ。2人の母親のあり方は、すべての子と母にとっての理想の姿。「♪ポーニョ ポーニョ ポニョ」の主題歌で有名な本作だが、もうひとつ、オープニングを彩っている主題歌のタイトルは「海のおかあさん」。宮崎監督が子どものために作ったこの作品は、同時に子どもと一緒に鑑賞する母親たちに向けて作った物語でもあるのだろう。

そんな母親たちを演じた山口智子&天海祐希のほか、不器用な父親役の所ジョージと長嶋一茂、宗介の祖母的な存在の老女役の吉行和子、奈良岡朋子ら豪華声優陣にも注目。ジブリファンには、三鷹の森ジブリ美術館で上映されている短編アニメ「やどさがし」「水グモもんもん」の声も担当した矢野顕子が、ポニョのいもうと達を演じているのも嬉しい再会だ。

また、素晴らしいのが、絵本をそのまま映像にしたような背景の美術。草や木はもちろんのこと、宗介の暮らす家や道路も子どもがクレヨンや色鉛筆で描いたような自由なタッチで描かれ、定規を使ったまっすぐな線は皆無。宮崎監督の夢だったという海の表現も、なるべく線を少なくして、その上でダイナミックな描写を実現している。アニメも実写もCGを駆使してよりリアルな情景に近づけるという流れにある中で、波に目を描いたり、魔法の力で巨大な「水魚」になったポニョのいもうと達が波そのものになったりという手描きアニメでなければできない表現で、海の強さと優しさと恐ろしさを描ききったのは、本当にアッパレ!!

チビッコたちはもちろん、心のどこかに “チビッコ”を隠し持っている大人のみなさんにとって、楽しめること間違いなしの現代の童話。作品に参加したスタッフ&キャストの名前だけが五十音順で並ぶという画期的なエンドロールまで、じっくりとご堪能ください。

5歳の男の子と女の子の小さな恋が地上と海を巻き込んだ大騒動を引き起こす!

崖の上のポニョ ポニョ(奈良柚莉愛)は、海の底で暮らすさかなの子。人間を辞めて海で暮らす道を選んだ魔法使いの父・フジモト(所ジョージ)と、海なる母・グランマンマーレ(天海祐希)の間に生まれたため、少しだけ不思議な力を使うことができる。ポニョはある日、人間になるという夢を叶えるために、大好きないもうと達(矢野顕子)に別れを告げて冒険の旅に出た。

クラゲに乗ったポニョが流れ着いたのは、ある小さな港町。波にもまれてジャムの瓶に頭がつっかえ、抜けなくなっていたところを、1人の少年に助けられる。その少年の名前は、宗介(土井洋輝)。内航貨物船の船長を務める父・耕一(長嶋一茂)の留守を、快活で聡明な母・リサ(山口智子)と一緒に守っているしっかりもので優しい男の子だ。ひと目見ただけで宗介を好きになってしまったポニョ。宗介も、ワガママだが可愛らしいポニョを自分が守ってあげると心に誓う。しかし…ポニョの自立を認めたくないフジモトは、魔法の力で波を自在に操り、宗介の手からポニョを奪い返してしまう。

フジモトによって、海底の船の中に閉じ込められてしまったポニョ。しかし、母親譲りのポニョの魔法の力はフジモトよりも強く、ポニョが念じただけで身体からは手と足が…! フジモトはとっさにポニョを眠らせるが、姉思いのいもうと達が、その封印を解除。パワー全開になったポニョは、フジモトのとっておきの魔法の薬の力で“水魚”に姿を変えたいもうと達とともに、宗介の住む崖の上の家をめがけて大きな波となって押し寄せた!!

崖の上のポニョ ポニョが封印を解いてしまったために、海は大しけ。荒れ狂う波が宗介たちの住む町にも押し寄せる中、勤務先のデイケアサービス「ひまわりの家」から自宅へ、大急ぎで車を走らせるリサと宗介。リサが華麗なドライビングテクニックで風や波を避けて狭い道路を走り抜けたその時、宗助は大きなお魚の上を走る一人の女の子の姿を目にする。ポニョだ! 「宗介が好き!」…その一心で人間の女の子に姿を変えて宗介の家に辿りついたポニョを、リサは宗介とともに自宅で休ませることにする。

宗介とリサと一緒に体験する初めての人間の生活に、興奮が止まらないポニョ。初めて使うタオル、初めて飲むお茶、初めてのラーメン…。初めてづくしの冒険に疲れ果て、また宗介と再会できたことではしゃぎすぎて、ご飯を食べながらポニョは眠ってしまった。

その夜。嵐は収まったが、不安な気持ちを抑えられないリサと宗介。そんな中、リサは「ひまわりの家」で夜を明かしているはずの老女たちを助けるために、車で出かけることに。必ず戻ると宗介に約束して、リサは自宅を後にする。

一方、地球の引力のバランスが崩れて始めていることを心配したフジモトは、ポニョの暴走を止めるために再び宗介の家を訪れていた。そこに、同じく娘を心配したグランマンマーレが姿を現す。宗介に恋をしたポニョが人間になりたいと望んでいることを知ったグランマンマーレは、娘の願いを叶えてあげることを決意。そして翌朝…。目覚めたポニョと宗介は、おもちゃの小さなポンポン船に乗って、リサを探しに行く。

小さな恋の物語が巻き起こした、大騒動。海を静め、世界を元に戻し、そして2人の子どもたちを幸せにするためにリサとグランマンマーレが下す決断とは…? ポニョと宗介の恋の行方には、どんな未来が待っているのか?

崖の上のポニョ

キャスト

<リサ>
山口智子
<耕一>
長嶋一茂
<グランマンマーレ>
天海祐希
<フジモト>
所ジョージ
<ポニョ>
奈良柚莉愛
<宗介>
土井洋輝
<婦人>
柊瑠美
<ポニョのいもうと達>
矢野顕子
<トキ>
吉行和子
<ヨシエ>
奈良岡朋子

スタッフ

<原作・脚本・監督>
宮崎駿
<プロデューサー>
鈴木敏夫
<制作>
星野康二
<音楽>
久石譲
<主題歌>
「海のおかあさん」
歌:林正子
「崖の上のポニョ」
歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ
<作画監督>
近藤勝也
<美術監督>
吉田昇
<色彩設計>
保田道世
<映像演出>
奥井敦
<編集>
瀬山武司
<整音>
井上秀司
<音響効果>
笠松広司
<録音演出>
木村絵理子