カーター(モーガン・フリーマン)は、誠実な自動車整備工。雑学の知識量では右に出るものはおらず、テレビのクイズ番組や友人が出題する難問に答えるのを至上の喜びとしている男だ。愛する妻と結ばれ、2人の息子と娘、そして孫たちに囲まれて平凡だが幸せな生活を送ってきた彼が、ある日、人生初の長期入院を余儀なくされることになる。
同室になったのは、超ワガママな実業家のエドワード(ジャック・ニコルソン)。その病院のオーナーでもあるエドワードは、秘書のトーマス(ショーン・ヘイズ)や担当医のホリンズ(ロブ・モロー)はもちろん、カーターに対しても失礼三昧。傍若無人なエドワードの態度に不快感を隠さないカーターだったが、見舞いに訪れる家族もおらず、病気の辛い症状にもひとりで耐えているエドワードに対して次第に同情的になっていった。というのも、妻の妊娠をきっかけに大学を中退し、自分の夢も人生も犠牲にして働いてきたという思いを消せずにいるカーターにとっては、自分のことだけを考えて生きていけるエドワードの人生は、空虚に見える反面、うらやましいものでもあったからだ。
そんなある日。エドワードの余命があと半年であることが判明。時を同じくして、カーターも自らが余命わずかであることを知る。入院以来書き続けていた「棺おけリスト」を、ショックでゴミ箱に捨ててしまうカーター。それは自分が死ぬ前にやっておきたいことや体験したいことをすべて書いた、夢のリストだった。「荘厳な景色を見る」「涙が出るまで笑う」…。ゴミ箱から無断でそれを拾い上げたエドワードは、「スカイダイビングをする」「世界一の美女にキスをする」など自分のやりたいことを追加。その上、死ぬ前に2人でそのリストを実現させる旅に出ようとカーターに持ちかける。カーターの妻・バージニア(ビバリー・トッド)は猛反対するが、2人は「今しかない!」と病院を飛び出すことに!
超優秀な秘書であるトーマスを引き連れて旅に出た2人がまず挑戦したのは、エドワードの夢だったスカイダイビング。そして、次はカーターの生涯の憧れの車、フォード・マスタングGT350に乗り込んでレース場を大暴走! 次々に夢を実現させていく中で、2人は互いへの理解を深め、かけがえのない友達になっていった。そんな中、エドワードは思いがけない事実をカーターに打ち明ける。それは、ある事情で音信不通になっている愛娘の存在だった。死ぬ前に娘に会うべきだと主張するカーターと言い争いになってしまうエドワード。その一方で、バージニアからカーターを返してほしいと懇願され悩むエドワードは、家族だけのために一生を終えたくないというカーターの本音に触れ、結局旅を続けることにする。
アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園で野生の動物たちを観察し、数日後にはエジプトのピラミッドを制覇。そしてインドはタージ・マハルから、中国・万里の長城へ。次々とリストの項目を実現させていくカーターとエドワード。しかし「荘厳な景色を見る」ために訪れたエベレストでは、次の春まで頂上に登ることはできないと言われてしまう。失意を胸にアメリカに帰った2人は、小さなすれ違いから口論になってしまい、そのまま“元通りの生活”に戻るのだが…。
まったく異なる人生を送りながらも、運命のいたずらから、最も輝いた時間を一緒に過ごすことになった2人。彼らが人生の最期に、お互いのために導き出した答えとは…?


ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。2人合わせて合計17回のアカデミー賞ノミネートという、押しも押されもせぬ名優中の名優が待望の初共演。余命わずかにして自らの人生に真正面から向き合うことを決意した2人の男の姿を通して、生きることのおかしみを描き出した最高の喜劇だ。
2人の名優が作り上げたキャラクターと、コミカルなやり取りがすばらしい。憎らしいほどに自己中心主義で、ふてぶてしいエドワードを、ジャック・ニコルソンはとてつもなくチャーミングに好演。社会派ドラマもホラーも、恋愛モノもコメディも、すべての役柄を自分のものにしてしまうニコルソンが、嬉々として奇人を怪演している姿に思わずニヤリ。そして思いやりに溢れ、家族第一主義の良き父であり夫であるカーターを、モーガン・フリーマンは非常に奥行きの深い男として体現した。テレビのクイズ問題を条件反射のように答え続けるカーターの姿から、本当の自分が別のところにいるのではないかという後悔をにじませるフリーマンの表情が秀逸! そんな性格も人生観も異なる2人が互いにとってかけがえのない親友になっていく姿を見ていると、こうやって一緒にワクワクしたり、笑ったり、心を痛めたりしてしまう親友の存在こそが、人生で最も大切な宝物なのだろうとしみじみと感じられる。