1963年の横浜。16才の少女・海(長澤まさみ)は、坂の上に建つ古めかしい屋敷“コクリコ荘”で暮らしている。幼い頃に父を亡くし、母の良子(風吹ジュン)は留学中。祖母の花(竹下景子)と妹の空、弟の陸、そして研修医の北斗(石田ゆり子)や画家の卵・広小路(柊瑠美)ら個性豊かな下宿人の中で、海は家事全般をこなす主婦代わりだ。そんな彼女の朝は、“安全な航行を祈る”という信号旗をあげることから始まる。それは船乗りだった父が無事に家に帰って来られるように…と昔から続けている習慣だった。
ある日、学校で海はひとりの先輩学生と出会った。彼の名前は風間俊(岡田准一)。新聞部の部長を務める彼は、学園側が一方的に取り壊しを決定した文化系の部室が集まる古い建物“カルチェラタン”の存続運動に奔走していた。彼のファンになったという空の付き添いで初めてカルチェラタンに足を踏み入れた海は、成り行きで風間が発行している新聞のガリ版切りを手伝うことになる。
2人が少しずつ距離を縮め、惹かれあっていく中、カルチェラタンの取り壊しを巡って学生の討論集会が開かれた。夕ご飯の準備もそっちのけで集会に顔を出す海。風間の向こう見ずな行動と、彼の親友で生徒会長の水沼(風間俊介)の冷静な熱意に打たれた海は、カルチェラタンを大掃除すれば反対派の学生たちも考え直してくれるのではないかと提案。そんな海の話を耳にした学園の卒業生の北斗は、研修の都合でコクリコ荘を旅立つ自分の送別会に水沼の兄ら同級生たちを招集。その場に、風間と水沼も招待することに。
送別会当日。コクリコ荘を案内しながら、風間に自分の生い立ちを語る海。しかし、海が取りだした1枚の写真を見た風間の顔色がにわかに曇った。そこに並んでいるのは海の父・沢村雄一郎と2人の親友。そして…帰宅した風間の手には、海の家にあったのと同じ写真が。実は風間の父・明雄(大森南朋)は、沢村雄一郎から生まれたばかりの赤ん坊を引き取り、養子にして育ててきたのだ。海と自分は血のつながった兄妹かもしれない…。風間は深く思い悩む。
そんな中、海が声をかけた女子生徒によるカルチェラタンの大掃除が始まった。北斗のお陰で有力なOBたちも全面協力し、みるみるうちにキレイになっていくカルチェラタン。和気あいあいと作業が進む中、急によそよそしい態度を取るようになった風間に不信感を抱いた海は、ある日、その思いをぶつけるのだが…。一方、学園側はカルチェラタンの強制撤去を決定する。
カルチェラタンを守るために、次なる行動に出る風間と海たち。そんな2人の恋の行方には、思わぬ運命が待ち受けていた。


毎日を丁寧に真っ直ぐ生きている一人の少女と少年。ある出来事をきっかけに言葉を交わすようになった2人は互いに惹かれあうが、そんな2人の間に大きな難題が立ちはだかり…。1980年に「なかよし」で連載された原作を題材に、宮崎駿が台本を執筆(丹羽圭子との共同脚本)。そして「ゲド戦記」の宮崎吾朗監督が、父の脚本をもとに絵コンテを担当。まさに父と子の共同作業によって生まれた、ストレートな青春恋愛賛歌がテレビ初登場だ!
そんな海が恋に落ちるのは、新聞部部長の風間俊。声を担当したのは、「ゲド戦記」に続く宮崎吾朗監督作への出演となる岡田准一だ。恋というとびっきり幸せで同時に辛い経験から一歩も逃げない風間と海の姿には、今恋をしている人もそうじゃない人も、きっと勇気と元気をもらえるはずだ。