多島海世界“アースシー”で、異変が起きていた。竜が人間界に現れて突然共食いをはじめ、すべてのモノの名前を把握しているはずの魔法使いがその名前を忘れ、魔法の力を失ってしまったのだ。エンラッドという王国では、狂気に駆られた王子のアレン(岡田准一)が王である父親(小林薫)を刺し、王の剣を奪って国を脱出。偶然砂漠でアレンと出会った“大賢人”ゲド、通称ハイタカ(菅原文太)は、彼と共に都城“ホート・タウン”へ向かうことに。
しかし、かつては美しい街だった“ホート・タウン”も、麻薬や人買いが横行する荒んだ街に成り果てていた。アレンは街角で人狩りのウサギ(香川照之)に襲われそうになっていた少女・テルー(手嶌葵)を助けるが逆に自分が捕まり、奴隷として売り払われそうになってしまう。再びアレンを救い出したハイタカは、ある国で巫女を務めていた女性・テナー(風吹ジュン)の家に彼を連れて行き、一緒に生活することを決める。
夜な夜な自らの“影”に苦しめられていたアレンは、毎日畑を耕し、家畜の世話をする素朴な生活の中で、少しずつ人間らしさを取り戻し始めていた。一方、ハイタカは世界の均衡を崩しているのが彼を逆恨みし続けている魔法使い・クモ(田中裕子)だと察知。ハイタカが再び現れたことを知ったクモも、ウサギを使ってハイタカの居場所を突き止め、アレンを使ってハイタカを倒そうと決意する。
クモの力で再び暗黒の力に屈してしまったアレン。彼は正しい“自分”を取り戻すことができるのか? そしてハイタカは、世界の均衡を取り戻すことができるのだろうか?