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かつてヨーロッパでは、子どもは「小さな大人」として考えられていました。
現代に生きる私たちにとっては、ちょっと意外なことですが、大人と区別された、“愛すべき子ども”という現在の様な概念が形成されたのは、18世紀に入ってからであると考えられています。
絵画においてそれまでは、子どもは大人と同じような服を着、大人と同じような表情を湛え、大人の縮小版として描かれていました。
18世紀の啓蒙主義の時代に入ってからは、子どもを「子ども」として描く絵画が発展します。本展覧会では、19世紀初頭から20世紀までに制作された、子どもが「子ども」として描かれた時代の肖像画が中心となります。子どもらしい服装につつまれた、子どもらしい表情が見てとれるでしょう。さらにはその約200年の時間の流れにおいても、実にバリエーションに富んだ子どもたちの姿をみる事ができます。
誰もが「子ども」の時代を過ごしていながら、「大人」とは一線引かれた存在である子ども。画家たちは、純粋無垢な子どもたちをどのように作品に残したのでしょうか。是非その目でお確かめください。