ポルシェ  『親子が車を創った家』  2001/10/31放送

   
オーストリア南部の、アルプスの山々に囲まれた村・グミュント。
通り沿いにある小さな小屋で、「ポルシェ356」は誕生しました。


       
それは1948年のこと。
父・フェルディナンド ポルシェ73歳。息子・フェリー39歳。
ポルシェ親子にとって、長年の夢の結晶でした。


   
二人の家は、ここから山をひとつ越えた湖のほとりの村、ツェル アム ゼーにあります。
第2次世界大戦の最中、戦火に見舞われているドイツから疎開してきたのでした。


この家から、グミュントの小屋へ通っていた
ポルシェ親子。
自分達の会社の、第1号になる車を開発
しようと…。
しかし、まもなく二人はフランスに幽閉され、
オーストリアを離れることになってしまいます。


   
一足早く釈放された息子フェリーは、この小屋に戻り、
父の志を継いで、新しい車の開発に没頭します。


   
親子が初めて、自分達の名前をつけた車は、
息子が一人立ちをするきっかけでもありました。


   
父が言います。
「私が作ったとしても、ネジの一本に至るまでこれと同じように設計しただろう」
厳しい父が、息子を認めた瞬間でした。


ポルシェ  『親子が車を創った家』  2001/10/31放送



 


次回はゴヤをお送りします。


『心に残る家』TOPへ