藤田 嗣治  『フランス人として暮らした家』

(2002/11/20放送)


   
パリ郊外の閑静な住宅街、ヴィリエ ル バークル。
見晴らしのいい高台に、日本が生んだ世界的な洋画家、
藤田嗣冶の家があります。


   
   
大正から昭和にかけ、パリの画壇で活躍した彼は、第二次大戦のあと、フランスに帰化。それから二度と、日本には帰りませんでした。自分の芸術を突き詰めるため、フランス人となることを選んだのです。


   
「僕はね、何でもインテレストを持って見るんだ」

おかっぱ頭に、丸い眼鏡がトレードマーク。
好奇心旺盛で、目に映るものすべてにこだわる人だった、ムッシュー・フジタ。


   
 
 
柱飾る彫刻はもちろん、ステンドグラス、そして、カーテンやテーブルクロスまで、自分で作ってしまうほどでした。


   
 
 
西洋式に彩られたこの家の、アトリエに置かれた日本画の顔料。


 
 
異国の人として暮らしながらも、彼が生涯、その興味を忘れず、見守り続けたもの。それは、遠く離れたふるさと、日本だったのかもしれません。


藤田 嗣冶  『フランス人として暮らした家』

(2002/11/20放送)


 

今回の放送のBGM♪
 曲 On Aime Se Sentir Aimee “愛されてると感じたい”
 唄 Charlotte Rampling


次回(11月27日)の『心に残る家』は
石川 啄木 『幸せを感じた新婚の家』
をお送りします。お楽しみに。