ディレクター日記
 〜セザンヌ (2003/1/15 放送)〜

 日本人にも人気の南仏プロバンス地方。その中心エクスに、セザンヌのアトリエがあります。旧市街を見下ろす高台にあり、昔の写真を見ると、その家がぽつんとあるだけで、他には何もありません。しかし今では回りの木々が家の高さよりも高くなり、森に中にひっそりと佇んでいます。
 セザンヌはリンゴをアトリエに置くことを好みました。リンゴが徐々に腐り、そのときに放つ甘い香りが好きだったのだそうです。アトリエは、彼が使っていた当時そのままに保たれており、管理する人たちによって、生のリンゴも当時と同じように置かれています。もちろん、腐って甘い香りが放たれるのも、そのままに。