ディレクター日記
 〜ルートビッヒ2世 (2004/4/14放送)〜

 当時ルートビッヒ2世は17年もの歳月をかけてこの夢の城を建設し、未完成なうちに引っ越して住み始めますが、ほどなく亡くなってしまったので、結局とても短い期間しか住むことができませんでした。
 当時は国の財政を悪化させるほどの散財で批判を浴びたこの城も、いまとなってはバイエルン市の貴重な観光資源。後世にとって何が望ましいのかわからないものですね。当日もたくさんの日本人の方が来ていました。もちろんヨーロッパ中からも。ふもとのチケットセンターで入場する時間の予約券を買わなければいけないほどの人気です。夏には1日平均6000人もの人が、たった一人のために作られた部屋の数々を見学しています。
 番組でも紹介しましたが、絢爛豪華な部屋の中に、突然現れる洞窟の間が特に印象的でした。当時は小さな滝やロマンチックな照明があリ、上の階の「歌人の間」からの音楽が聞こえるようになっていたそうです。豪華なオペラや音楽会を催して、そこから一人抜け出し、階下の洞窟部屋で聴くつもりだったのでしょうか・・・
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