今週の放送内容

妙顕寺(みょうけんじ)
9月29日放送

日蓮上人の孫弟子、日像聖人が1321年に後醍醐天皇より寺地を賜って創建した妙顕寺。
後醍醐天皇の綸旨を戴き、勅願寺となって都の法華門下の中心的存在となった。 以後、法華教団は、室町期には都の人口の半ばを制する最盛期を迎えた。 明治になって法華各宗が大合同し日蓮宗が結成されてからも、その大本山として全国の末寺を統率。 昭和16年の制度改革により末寺を解放し、今は名称のみを伝えている。
妙顕寺は熱心な法華信者だった尾形光琳ゆかりの寺として知られ、脇の塔頭に墓(非公開)が残されている。

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今週は妙顕寺を訪ねます。


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法華宗発祥の寺で大本山でもあった妙顕寺。
室町時代、法華宗は京の半数の人を信者にするほどの
隆盛を極めました。 並ぶ堂宇が往時を忍ばせます。

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天井に信徒の家紋が張られた本堂。
須弥檀には釈迦如来と多宝如来が並んで安置され、
         法華経に描かれた情景を再現しています。

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妙顕寺は、尾形光琳ゆかりの寺として知られ、
光琳が晩年に描いた珍しい松竹梅の絵が伝わります。


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書院前には光琳の屏風絵をもとにして作られた曲水の庭。


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樹齢四百年の赤松の枝振りや、白砂で表された川の流れが
光琳の華やかな作風を思わせます。


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庫裏と書院の間には孟宗竹の坪庭。
    四方を囲まれた空間に竹の清々しさが溢れています。


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街中にありながら静寂を湛える妙顕寺。
    庭を秋の風が渡って行きます。


妙顕寺は、人形の寺として知られる宝鏡寺の側にあります。 堂宇は日蓮宗様式とでもいうのか、他の日蓮宗の寺と変わりがありません。 初めにうかがった時は、境内を見て、テレビ的には寂しいかなと思いました。 ところが庫裏から中に入ると、想像もしなかった三つの見事な庭が現れます。 特に、孟宗竹の坪庭は京都でも見たことのないような庭で、四方を囲まれた狭い空間に、竹だけが真直ぐに空へ伸びています。 しかも、四辺を廻ると、少しずつ表情を変えてゆきます。 禅寺にありそうで、やっぱりなかった不思議で心地よい庭に感動!(ちなみに、この庭では、かつてコーヒーのCM撮影が行なわれたそうです)
お寺は、中に入ってみないと損しますよ。


「SNOW SCAPE」
作曲・演奏者:MASA IMAMURA・DUAFLEX