今週は妙顕寺を訪ねます。
法華宗発祥の寺で大本山でもあった妙顕寺。
室町時代、法華宗は京の半数の人を信者にするほどの
隆盛を極めました。 並ぶ堂宇が往時を忍ばせます。
天井に信徒の家紋が張られた本堂。
須弥檀には釈迦如来と多宝如来が並んで安置され、
法華経に描かれた情景を再現しています。
妙顕寺は、尾形光琳ゆかりの寺として知られ、
光琳が晩年に描いた珍しい松竹梅の絵が伝わります。
書院前には光琳の屏風絵をもとにして作られた曲水の庭。
樹齢四百年の赤松の枝振りや、白砂で表された川の流れが
光琳の華やかな作風を思わせます。
庫裏と書院の間には孟宗竹の坪庭。
四方を囲まれた空間に竹の清々しさが溢れています。
街中にありながら静寂を湛える妙顕寺。
庭を秋の風が渡って行きます。