今週の放送内容

祇園(ぎおん)
12月8日放送

祇園は、鎌倉時代に八坂神社の門前町として栄え、江戸時代にお茶屋街として更なる発展を遂げた。紅殻塗りの壁や黒い千本格子、犬矢来など、お茶屋独特の町並みが残る。現在、新橋通と白川南側、切通し沿いの町並み一帯は「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。
西行庵は円山公園の一角に建つ。平安末期の歌人・西行法師の終焉の地と伝えられている。その後荒廃していたが、明治26年、小文法師により再興された。その際、離れとして豊臣秀吉の大老 宇喜多秀家の息女が久我大納言にお輿入れする際に持参した「皆如庵」、また母屋として大徳寺塔頭・真珠庵の「浄妙庵」が移築された。

写真

今週は祇園を訪ねます。


写真

八坂神社の門前町として栄えた祇園。
昔ながらの町並みを伝えます。


写真

この町にひっそりとたたずむ西行庵。
平安末期の歌人・西行法師のゆかりの地です。


写真

皆如庵(かいにょあん)は、武士の娘が貴族にお輿入れする際に持参したものです。


写真

道安囲(どうあんがこ)いは、お点前を披露する姿を、
慎ましやかに見せたことでしょう。


写真

円窓の光が、夜のお茶席を和やかに包み込みます。


写真

また、茅葺きの母屋は野趣あふれる佇まい。
竹を並べた簀子(すのこ)天井が、お庭の自然と溶け合います。

写真


写真

丁寧に点てられたお茶をいただくと、
もてなしを受ける心地よさに、時がたつのも忘れてしまうよう。


写真

明かりが灯る頃、いっそう華やぐ祇園。
艶やかな舞妓さんが町並みに彩りを添えます。


写真

祇園の繁栄が、永遠に続きますように・・・。


写真

そんな願いとともに、祇園は夜を迎えます。


西行庵はお茶室見学の際には、西行庵の歴史やお茶室のつくりについても案内してもらうことができます。修学旅行の学生さんも受け入れているそうで、お抹茶を点ててあげると、作法などは知らない生徒さんも、キチンと正座をしてお抹茶をいただくそう。普段は言葉遣いが悪いような生徒さんでも、キチンとお行儀よくしているそうで、「やっぱり日本人なのね、と嬉しくなる」と、ご亭主はおっしゃっていました。客人として大切にされているのが伝わるんですね。
 今回は観光のハイシーズンに撮影したこともあり、祇園の街は大変な賑わい。舞妓さんに歩いてもらうシーンでは人だかりができていました。撮影は一般の方のフラッシュとの戦いでしたが、舞妓さんの京言葉はやっぱり素敵!・・・なんとなく癒されてしまいました。


「春景色 Scenes of Spring」
作曲・演奏者:渡辺雅二