第2章 王太子の結婚

 

王立セーヴル磁器製作所
パリ、ブールドレー社
《王太子の結婚祝いのテーブル飾りの部分的復原》

結婚式の祝宴の夜に行われたヴェルサイユ宮の新しいオペラ劇場の落成式では、機械技師が考案した巧妙な仕掛けの中心に巨大な王家用のテーブルが設えられ、セーヴル製作所が特別に製作したこのテーブル飾りが用いられた。彫刻家バシュリエは、大理石なみに白い素焼きの磁器で全体を作った。56本のドーリア式列柱に支えられたポルチコ〔列柱廊〕の中心には、彫刻家ピガールによる彫像の縮小レプリカであるルイ15世像が覗いていた。48のパーツを噛み合わせて作り上げるエンタブレチュア〔列柱の上部〕が、歪みのない完璧な直線を見せている点が見事であった。後にパリの商人に売却された際に分解され、19世紀末にいくつかのパーツを用いて小さなテーブル飾りに作り直されたが、列柱は大理石と金鍍金(きんめっき)を施したブロンズに替えられた。

Special

TOPへ戻る