世界まる見え!テレビ特捜部
07/04/09 OA
赤ちゃんの命を救え!闘う小児科医

胎児のころから重い病を抱え、生まれてくる赤ちゃん。
そんな赤ちゃんを救うために、難しい手術に挑む医師たち。
その厳しい現実を描いたドキュメンタリーである。

【ミズーリ州ワシントン大学小児病院】
臨月を迎えた、シャノン・ペリーのおなかの子どもに、ある病気が発覚した。
それは、「腹壁破裂(ふくへきはれつ)」。
胎児のおなかが破れ、腸が外に飛び出してしまっていたのだ。
生まれたらすぐに、飛び出した腸をおなかの中に戻さなければ、
感染病や機能障害などを起こし、最悪の場合、死に至る。


そのため、シャノンは帝王切開で出産。
だが、生まれてきた男の赤ちゃんには、思いもよらない事態が!
なんと、飛び出した腸が炎症を起こし、大きく腫れていたため、
一度でおなかに戻すことはできなかったのだ。
そこで、緊急処置が行われ、飛び出した腸をビニール袋で守ると、
おなかの上に立てておかれた。
こうして、腸の炎症が治まるのを待ち、数日をかけて
おなかに押し戻そうと言うのだ。
予断を許さない状況が続いた。

【ミシガン州CSモット子ども病院】
妻ミッシェル・ジュリーと夫ブラッドの間に生まれた男の赤ちゃん、
ダスティンは、10万人に1人と言う難病を抱えていた。
それは、「左心低形成症候群(さしんていけいせいしょうこうぐん)」。
通常よりも、左心室が小さく、大動脈が細いため、
心臓機能が次第に低下、そのままではほぼ生存不可能な病気なのだ。


そこで、ダスティンに「ノーウッド手術」が施されることに。
それは、心臓手術の中でも最も難しい手術の一つであるうえに、
ダスティンの場合は、手術のため心臓を止めなければならなかった。
そこで血液の温度を下げ、ダスティンを仮死状態にする医師たち。
そこで、すばやく動脈をつなぎかえる。制限時間は30分。


そして・・・
何とか時間内に縫合し、手術は成功。果たしてダスティンは・・・

【オハイオ州レインボー子ども病院】
ここに、5万人に1人という重い病気を持って生まれてきた女の赤ちゃんがいた。
生後8ヶ月のメリッサは、「クロアーカ」という奇形をもって生まれてきたのだった。


通常、女性の体には、おしっこを出す尿道と、
赤ちゃんの産道となる膣(ちつ)、大便を排泄する肛門と言う、
3つの排泄腔(はいせつこう)がある。
だが、メリッサには、排泄腔が1つしかなかったのだ。


そこで医師は、排泄腔を3つにする手術を行うことに。
だが、一番の問題は膣(ちつ)。
メリッサの場合、子宮からつながる膣が途中でふさがっていたため、
医師は大腸の一部を切りとって、膣を作ろうと考えたのだ。
はたして、手術の結果は・・・



4ヵ月後・・・
排泄腔が1つしかなかったメリッサの手術は成功。
今では、おしっこもうんちも普通にできるようになり、元気そのもの。


さらに、腸が飛び出した状態で生まれてきた男の赤ちゃんは・・・
飛び出した腸は、すっかりおなかの中に戻り、無事退院。
その傷跡もほとんど治っていた。


だが・・・
ミシガン州で心臓手術を受けた、ダスティンは、
新しい血液の流れに心臓が耐えられず、この世を去ったのだった・・・


この世に生を受け、誕生した命に待ち受ける過酷な運命。
だが医師たちは、尊い命を救うために闘い続けている。
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