世界まる見え!テレビ特捜部
08/02/25 OA
大自然の親子の絆修復プロジェクト

イギリス南部の町に住む、モンタナ・ウイットロックは、
15歳の1人娘、ナターシャのわがままぶりに困り果てていた。
彼女は、学校へほとんど行かず、不良グループと夜な夜な遊び、酒を飲むことも。
また、身の回りのことは全て母親任せ、わがままな女王様状態。
実は母・モンタナは、ナターシャが2歳の時に離婚し、
13年間、女手一つで育ててきたのだが、娘をかまってあげられない後ろめたさから、厳しく叱ることが出来なくなったという。


母モンタナは、何とか親子の絆を取り戻したいと、
アメリカ・アリゾナ州で行われている
『母と娘の壊れた関係を改善する、大自然セラピー・プログラム』に
娘ナターシャと一緒に参加する事を決意した。
このプログラムは、母と娘が、大自然の中で3週間過ごすことで、
余計な雑念を払って人生を見つめ直し、互いの心に向き合って
親子の絆を修復していこうというものなのだ。
 <更生プログラム1日目>
最初の2週間は、母と娘が別々に移動とキャンプを繰り返す。
その間、お互いに連絡を取ることは出来ない。
その目的は、『互いの必要性を知る機会を与え、気持ちに変化を起こさせる』ため。
娘のナターシャたちは、指導員と共に移動を開始。
何でも思い通りにしてきたナターシャは、耐えることができるのか。


 <更生プログラム2日目>
野営の仕方や自炊を学びながら、一日16キロ近く移動するナターシャたち。
ところが、しばらく歩くと、ナターシャは座り込み、「やめたい」と訴える。
彼女は、既に家での生活が恋しくなっていた。
この恋しさは『自分が恵まれていた事に感謝する正しい方向への第一歩』なのだ。
一方その頃、母モンタナも娘ナターシャ同様、
あまりの辛さに早くも嫌気がさしていた。
もちろん彼女たちを過酷な環境に置いているのには、大きな意味がある。
『精神を成長させるには逆境に置かれることが必要不可欠』だからだ。


 <更生プログラム3日目>
母モンタナが突然、心の奥に秘めていた事を語り始めた。
実は、離婚した元夫のアンドリューと、娘のナターシャとの関係は良好だという。
だが、それに対し、母モンタナは、
「一番子育てを手伝って欲しい時に、アンドリューは何もしなかったのに、
都合のいい時だけ父親面をしていることが許せない」と感じていたのである。
彼女は、逆境に置かれた事で心が丸裸になり、問題の根源が見えてきたのだ。
そこでモンタナは、自分が抱えている過去の問題を石などに置き換えて、
地面にしかれた毛布の上に置き去り、気持に区切りを付ける
<ブランケット・ステッピング>を行い、元夫へ対する怒りを捨てたのだ。


 <更生プログラム6日目>
この夜、わがまま娘ナターシャが、母モンタナへの感謝の言葉を口にした。
彼女は、過酷な生活の中で母親の有り難さを身を持って知ったからだ。
と、その時、ナターシャに、母モンタナからの手紙が手渡された。
連絡を取る事は一切禁止されていたが、
1週目の最終日に、手紙のやり取りだけが許されるのである。
手紙は、『相手を思い、心のこもった言葉をじっくり考える事ができ、
もらった相手も、心に響く言葉を何度でも読み返すことができる』からだ。

そして、ナターシャは、母モンタナに返事を書いた。
そこには、「これまでのお詫びと母への感謝の気持ち」が
心のこもった言葉で書かれていたのだった。


 <更生プログラム10日目>
母モンタナと娘ナターシャは、これから数日間、
それぞれ一人で別々にキャンプを行い、自己を見つめ直し、再会の時を待つ。
お母さんが喜ぶような素敵なキャンプ場を作ってあげて、という指導員の言葉に、
あのナターシャが、何時間もかけてせっせとキャンプ場を作っている。
それは彼女に、母を喜ばせたいという『思いやりの気持ち』が
芽生えたことを意味するのだ。


 <更生プログラム14日目>
ついに再会の時を迎え、喜びあう母モンタナと娘ナターシャ。
ナターシャが、自分で作ったキャンプ場に案内すると、母モンタナは大喜び。
残り1週間、二人はここで共に生活する。だが、この後、思わぬ事態が…。


最終週の共同生活は、家に帰っても反映されると考えられ、
プログラムの成果が問われる重要なテスト。
だが、二人の関係は…以前と同じ、食事を作るのは母モンタナ。
娘のナターシャは手伝うどころか、身の回りのことも全て母親にやらせていたのだ。
そこで、フレッド指導部長は母モンタナに、あることを告げた。
「更に教育する為に娘さんの滞在期間を延長させましょう」と。
その提案の答えは、母モンタナに託された。


 <更生プログラム20日目>
母モンタナは、フレッド指導部長に
「娘の滞在期間を延長する提案に反論はありません。
でも、学んだことをどう活かせるか、試してみたいんです。
娘を連れて帰らせて下さい。」と頼んだ。
こうして母と娘が挑んだ<大自然セラピー・プログラム>は終了、
二人は、イギリスへ帰国したのだった。


 <1週間後のウイットロック家>
彼女たちの生活をのぞいてみると…
「遊びに行かせてよママ。今夜は友達もみんな行くんだから」と、
母に文句を言うナターシャ。3週間のキャンプは無駄だったのか…


と、その時なんと、母モンタナが毅然とした態度で娘を叱ったのだ。
「ナターシャはまだ、文句やわがままを言いますが、
今は、娘にダメなものはダメと言えるようになりました。
これは大きな変化だと思います」と母モンタナ。
現在、ナターシャは母モンタナが経営する会社で母の仕事を手伝っており、
親子の絆はゆっくりと戻りつつある。


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