世界まる見え!テレビ特捜部
08/07/14 OA
サイを救え!パークレンジャー大作戦!

ネパールの南部に位置するロイヤル・チトワン国立公園。
ここで、あるインドサイの角を狙う密猟が後を絶たず、絶滅に瀕している。
実は、サイの角は漢方や装飾品に使われ、
一本100万円以上の高額で取引されている。
そのため、以前は1000頭以上生息していたが、
現在は450頭までに激減しているのだ。
この大問題に頭を抱えているのが、公園の管理を任されている
パークレンジャー、デュキ・ラム。



彼は、日夜パトロールをしたが密猟の証拠は見つからず、
村で聞き込み捜査をしても全く手がかりがつかめない。
そこでデュキ・ラムは、密猟者を捕まえるかわりに、
密猟者からサイを守りぬこうと、とんでもない作戦を考えた。
それが、「サイ救出大移動作戦」。
密猟者に狙われやすい平原に生息するサイを、草木が生い茂って、
身を隠すことの出来る安全なジャングルに移動させるというのだ。



しかし、一体、どうやってサイを移動させればよいのか!?
サイはひとたび怒らせると、襲い掛かってくる危険な動物。
人間が追い込むことは、不可能。
そこで!デュキ・ラムはある動物を使うことにした!!
それは・・・なんとゾウ。
強くて勇敢なゾウは、サイに対抗できる唯一の動物であり、
ジャングルなど道なき所でも、物ともせず進める体力があると言う。



『事前調査』
まずは、何頭のサイを移動させることが出来るのか、
デュキ・ラムは、2頭のゾウで調査にいくことに。
ウッソウとしたジャングルをものともせずに進み、
行く手をはばむ川も悠々毅然と進んでいくゾウ。その姿はまさに重戦車。



そして、サイが生息する平原に到着。
一年前はここで15頭ものサイを確認できたのだが・・・
今は、一向にサイの姿が見当たらない。
デュキ・ラムは探索の範囲を広げることに。すると・・・
ようやく草むらに1頭の若いサイを発見。
更に、そこから少し離れた水場に、親子のサイも見つけることができた。
だが、10日間に及ぶ事前調査で確認できたのは、わずか4頭のみ。
とにかく、一刻も早くあの4頭のサイを移動させなければ・・・



デュキは、調査から戻ると早速、作戦に必要なゾウを集めにまわった。
4頭のサイを囲んで追い込むには、最低でも6頭のゾウが必要。
政府から借りられた4頭のゾウでは足りないのだ。
そこで、彼は近隣の村に声をかけ協力を頼んでみることに。
するとデュキの熱き思いが伝わり、11頭ものゾウがかけつけてくれたのだ!!



『サイ救出大移動作戦 決行日』
デュキ・ラムを先頭に、平原を目指し、11頭のゾウが足並みを揃える。
これだけ沢山のゾウはもう二度と集められない、チャンスは今日1日だけ。

一行が平原に到着すると、早速デュキがあの4頭のサイを確認。
そして、ついにデュキ・ラムの合図で作戦開始!!
最初は平原に散らばっているサイを、ゾウで囲み、まとめなくてはならない。
サイを刺激しないよう、出来る限りゆっくりと追い込んでいく。
ここまでは、なかなか上手くいっているようだ。
さらに間合いを詰めるゾウ。だがここで、一頭のサイが動かない。
ゾウが迫ると、サイは興奮して苛立ち始めた。
と、次の瞬間! 危ない!!
なんと、わずかな隙間をぬってサイが逃げてしまった!
追い詰めるスピードが速すぎて、サイを苛立たせてしまったようだ。



もう一度、始めからやり直し。
だが、陽もだいぶ傾き、もう、失敗は許されない。
慎重にそしてゆっくりと間を詰めていく。一丸となる11頭のゾウ。
とその時、親子のサイがジャングルに向かい出したではないか!
それに誘われ、もう一頭のサイも。
こうして4頭のサイがジャングルの中へ。
後は、最終目的地の沼までサイを追い込んでいくだけだ。



こうして数時間後、無事、ジャングルの奥の沼に到着。
そう、ここが、サイたちの新しい棲み処となるのだ。
数日後、デュキ・ラムはジャングルへ戻ると、サイたちは、ちゃんとそこにいた。
どうやら新しい棲み処を気に入ってくれたようだ。
こうして彼の壮大な救出作戦は成功。
だが、彼と密猟者の闘いはこれで終わったわけではないのだ・・・
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