世界まる見え!テレビ特捜部
08/09/01 OA
知られざる自由の女神伝説

ニューヨークに建つ「自由の女神」。
高さは46m、台座を入れると90mを超えるこの巨大像が、
フランスからの贈り物だということは、ご存知の方も多いはず。
では、どうしてこんなデカイものが贈られてきたのか?
【きっかけ】
1865年、フランスの歴史家が開いた夕食会で
「間もなく独立100周年を迎えるアメリカに、フランスから何か贈り物をしよう」
という話題になったところ、一人の彫刻家が
「とびきり大きな像を贈ってみては?」と発言。
彼の名は、フレデリック・オーギュスト・バルトルディ。
実は、バルトルディは、大きな像を作ることで知られる、巨大マニア。
この男が、全ての情熱を注いで作ったのが、あの自由の女神だったのである。
【大胆なアイデア】
女神作りを進めるバルトルディだったが、制作には予想以上に時間がかかり、
約束のアメリカ独立100周年には到底間に合わない。
すると彼、なんと出来上がっていた右手の部分だけをアメリカに送ったのだ。
そして、その右手だけが、独立100周年記念式典に出展された。
また、資金難に陥った際にも、女神の頭だけをパリ万博に展示して
40万ドルの寄付を集めた。



【出来上がったパーツを人目にさらす】
実は、バルトルディは、この大胆方法で人の興味を引き、
数々のピンチを切り抜けていた。
ちなみに、自由の女神の制作には、フランス政府はタッチしておらず、
制作資金も出していない。全てフランスの人々の寄付によって作られた、
まさに「フランス国民からの贈り物」なのである。



【強力な助っ人】
バルトルディが最も悩んだとされているのが、
高さ4mの巨大な女神をどうやって自立させるかという点。
そこで、バルトルディが相談をもちかけたのが、ギュスターブ・エッフェル。
そう、後にあのエッフェル塔を作ることになる男である。
鉄骨を組み上げて頑丈な橋を作る名人だったエッフェルは
得意の方法を女神作りにも導入。
女神像の真ん中に、中心となる鉄塔を立てると、
そこからたくさんの鉄の棒を突き出させて、女神像の芯部を作成。
そこに銅板で作った、女神像の『着せた』のである。
この方法なら風や地震で像が揺れたとしても、
その衝撃を、クッションである鉄の棒が吸収してくれるのだ。
こうした見事なアイデアを積み重ね、女神像はついに完成。
1887年10月28日、ついにニューヨークに女神が立ったのである。
以来、100年以上に渡ってアメリカのシンボルとして
人々に愛され続けている「自由の女神」。
ニューヨークに行った際にはぜひ訪れて、
フランスの男たちの情熱を感じてみてはいかが?


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