世界まる見え!テレビ特捜部
09/04/13 OA
レッドアローズ 命知らずのイケメン アクロバット飛行隊

地中海東部に浮かぶ島、キプロス島に、
世界屈指のアクロバット飛行部隊<レッドアローズ>の訓練基地がある。
イギリス空軍の名を高めるため、
アクロバット飛行の専門チームとして1965年に誕生。
それ以来、世界59カ国で4000回以上のエアショーを行い、
華麗な技で観客を魅了し、イギリスの子どもたちの憧れの的となっている。



レッドアローズに入隊するには、空軍の中で優れた操縦能力を持ち、
少なくとも1500時間以上のフライトタイムと、戦闘機の操縦経験が必須。
それらの条件を満たした志願者から、
厳しい飛行テストと面接などの選考を重ねてメンバーが選出されるのだ。
そして、レッドアローズの隊員として選ばれた、
9名のエリートパイロットたちをまとめるのが
メンバーから絶大な信頼を得ている、通称「ボス」。
ボスのジェット機<RED1>は、飛行中、常に先頭に立ち、
他のパイロットたちを正確なコースに誘導する。
実は、飛行中のアクロバットは、全てボスの指揮で行われているのである。



また、毎年3名のベテランと、3名の新人を入れ替えることで、
チームを活性化しているレッドアローズ。
子どもの頃からずっと、赤い飛行服を着るのが夢だったというのが、
<RED4>を操る新人隊員の「ダフィー」。
彼は3年間、毎年テストを受け続けて、
ようやくレッドアローズの隊員に選ばれた。
しかし現時点では、ボスを含め、誰もまだ憧れの赤い飛行服を着る事は出来ない。
実は、2日後に行われる実演審査で技を披露し、
イギリス空軍大将の合格を得なければ、エアショーへのデビューは認められない。
つまり、それまで憧れの赤い飛行服を着ることが出来ないのである。



時速700キロに近いスピードで、わずか1メートルの間隔をキープしながら、
次々と編隊を変えて飛行しているレッドアローズ。
この美しく正確な間隔は、コンピューターなどのハイテク機能を一切使用せず、
「自分たちの目だけ」を頼りに調整している。
そんなレッドアローズの隊員にとって、最もやっかいなのが、
急な方向転換などの時にかかる、強烈な重力「G」。
時には体重の7倍という、なんともすさまじい力が体にかかり、
血の気が引き、トンネルのように視野が狭くなって気を失ってしまうという。



いよいよ実演審査の日。
ボスの指揮で9機は、一糸乱れぬ見事な編隊を組む。
その様子を崖の上からチェックする空軍大将たち。
最初の技は、2機が赤と青のスモークを出しながら分かれる《ジポーブレイク》。
次は4機が同時に接近してクロスし、四方へと分かれる《ビクセンブレーク》、
そして最後に、9機が一斉に急上昇し、
一斉に急降下していく《垂直分散》を披露。
そして結果は、「合格」。
隊員たちは、晴れて赤い飛行服に着替えることを許されたのだ。
その後、イギリス本国のエアショーでデビュー飛行を無事成功させた
新生レッドアローズ。
だが彼らは、ホッとする間もなく、2ヶ月後にカナダ・ケベック市で
盛大に行われる<国際エアショー>に向け、準備を開始。
これは、レッドアローズを含め、世界屈指のアクロバット飛行部隊
4チームが集結するエアショー。国の威信にかけて、失敗は許されない。



3日間で、15万人ものファンが駆けつけるという、<ケベック国際エアショー>。
レッドアローズも自分たちのジェット機に乗って、
イギリスから遥々、カナダのケベックにやって来た。
イケメン揃いのアメリカ海軍所属<ブルーエンジェルス>が、
主力戦闘機F―18ホーネットで参上!
続いて、女性の姿も見られるアメリカ空軍所属の<サンダーバーズ>が
ハイテクのF―16ファイティングファルコンで登場。
そして最後に、カナダ国防軍の<スノーバーズ>が現れ、4チームが集結。
各チームが次々と完璧なパフォーマンスを披露していく。
そして、いよいよレッドアローズの出番がやってきた。
9機が一体となって魅せる迫力満点の技に、観客の目は釘付けに。
その目玉の演目、時速700キロで互いに飛んできた2機が、接近して交差し、
まるで衝突するかのように見せる《サイクロン》も見事成功!!
最後は、ボスの指揮で全機が一斉に分かれ、全ての演目を終了。
会場は歓声に包まれた。



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