世界まる見え!テレビ特捜部
09/08/24 OA
ナンタケットの動く灯台

アメリカ東海岸沖に位置するナンタケット島。
捕鯨の拠点として知られ、
地元の漁師達を100年以上前から見守り続けてきたのが、
この島の崖っぷちに建っているサンカティヘッド灯台。
しかし、この灯台が崩壊の危機に瀕している。
1991年、時速100キロを越すパーフェクトストームと呼ばれるハリケーンが
島を直撃。
猛烈な嵐によって崖が削り取られ、灯台が海へ崩れ落ちるのは時間の問題
なのだ。
そこで、この灯台を救うべく、大引っ越しプロジェクトが決行されることに!



灯台を120メートル内陸に動かせば、100年間は安全を保つことができるという。
しかし灯台はレンガ造りで重さは450t、高さは21m、移動させるのは容易ではない。
そこで、大型建造物引っ越しの専門家のジェリー・マティーコに白羽の矢が立った。



灯台お引越し作戦その1
[1] まず灯台の下部に穴を開け、鉄柱を差し込む。
[2] 油圧ジャッキを使って持ち上げる。

レンガが崩れないように、水平を保ちながら移動させなければならない。
120mの道のりは、凹凸が激しく舗装が十分ではない。そこで!



灯台お引越し作戦その2
[1] 引越し先までレールを敷き、その上に灯台を乗せて運ぶ。
[2] 2つの油圧式ピストンを設置して、
   レールの上を150センチずつ押して進んでいく。
[3] レールの先端に灯台がついたら、後ろのレールを前に移動。
   これを繰り返し行う。



灯台の移動は、150p進むのに2時間、秒速0.2oという驚異的な遅さ!!
しかし難問はこれから。
灯台の引越し先は、今までよりも4mも低い位置にある。
つまり、道程は下り坂なのだ。
下り坂のまま進んでいけば、灯台は前に傾き崩れてしまう可能性がある。そこで!



灯台お引越し作戦その3
[1] レールの下にブロックを積み、水平を保って移動させる。
[2] 移動させた後、レールの両外側にブロックを積み上げて一時的に支える。
[3] レールの下にあったブロックを地面の高さに積み直し、
   ジャッキを使って、その高さまで灯台を下げる。



根気よく作業を行い、ついに灯台は新しい基礎の上に到着。
こうして2ヶ月間かけた「灯台まるごとお引越しプロジェクト」は無事完了した。



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