世界まる見え!テレビ特捜部
09/09/28 OA
卵子一番乗りを目指せ! 精子たちのサバイバルレース

男性の生殖器、精巣の中では心臓が1回脈打つたびに1000個、
1日におよそ1億個もの精子が作られている。
その体調はわずか0.06ミリで、姿・形は全て異なる。
精巣は、体温より3度ほど温度が低く、
より多くの精子を活発に作るために適した環境になっていると言われている。



イギリス・ロンドン郊外で幸せな新婚生活を送る
夫≪グレン≫とその妻≪エミリー≫。
子ども好きの夫婦の夢は、子宝に恵まれること。
彼らが心待ちにしている新しい命が、どのように誕生するのか、
精子たちを2万8千倍に拡大し、人間の姿に置き換え
ドラマ化した映像を交えながら見ていくことにしよう。



精子には、人間の世界と同じように性別があり、
頭部に遺伝子情報が詰め込まれている。
精子には、性別の情報があり、
素早く動くことができるY染色体を持っているのが男性の精子、
寿命が長いX染色体を持っているのが女性の精子。
だが精子の中には、これから始まる生き残りをかけた戦いに
参加することができない者もいる。
精子生物学者は、「一般男性でも、元気で丈夫な形の精子は
全体の20%ほどにすぎず、残りの80%は全く役に立たず、
受精のチャンスさえない」と言う。
そんな中、射精された精子。
男性にとっては至福の時だが、
人間に置き換えると、秒速12キロもの猛スピードで押し出される精子には、
かなりの負担がかかっていると言える。
前立腺と精嚢(せいのう)で作られる液体と混ざり合い精液となった精子は、
わずか2秒でエミリーの膣内へ放出され、
最初の目的地である、膣の上部にある子宮頸部(しきゅうけいぶ)と呼ばれる
器官へ向かう。
精子にとって最初の難関は、
殺菌などの繁殖を抑えるために、酸性に保たれた女性の膣内。
酸に弱い精子は、膣内に入って30分たらずで99%が命を落としてしまうと言う。



そして、生き残った精子たちが、最初の目的地である子宮頸部に到着。
第一関門の子宮頸部に到着した精子たちは、子宮へと向かう。
その数、およそ3千個。
この時点で、最初の数の0.0012%しか残っていない。



次に待ち受ける試練は、広大な子宮の中から
卵管へとつながる小さな入り口を見つけだすこと。
それは、広い草原の中から一輪の花を探し出すような気が遠くなるような話。
それでも、自らの使命を成し遂げようと懸命に前へ前へと進む精子たち。
そんな彼らの行く手を遮る最強最悪の敵が白血球である。
白血球は、精子を悪者だと認識し、排除しようとするのだ。
精子たちは、懸命に逃げ回りますが、次々と捕らえられ命を奪われていく。



そんな中、白血球の攻撃をかいくぐったわずかな数の精子たちが、
幸運にも卵管の入り口を見つけだした。
しかし、卵管には認証識別システムのようなものが働いており、
優秀な精子しか通過できないようになっているのだ。



こうして、数々の困難を勝ち抜いてきた優秀な精子たちは、
精子の必要な栄養素がある卵管で、
卵子が近づいてくるその時まで穏やかな時を過ごす。
そして妻エミリーの卵子が近づいてくるのが見えると、
精子は体中を覆っていたタンパク質の服を脱ぎ始め、
受精の準備を整えると、最終目的に向かってラストスパート。
しかし、ただ闇雲に泳いでいるのではなく、
精子は卵子の存在をある匂いで感知しているということが、
最近の研究で明らかになった。
その匂いとは、スズランのような香りだという。



グレンの精巣から14時間前に旅立った2億5千万もの精子たち。
熾烈な生存競争を勝ち抜き、卵子の前に姿を現したのは、
男性の精子と女性の精子のわずか2つ。
すると、頭部から酵素を出しながら卵子の中へと侵入した精子。
こうして、グレンの遺伝子情報はエミリーのDNAと融合。
卵子と精子が出会う確率が少しでもずれていれば、
誕生することがなかった新しい命。
そしてここからまた、新たな命が次の世代へと受け継がれていくのだ。



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