世界まる見え!テレビ特捜部
11/06/20 OA
犯人を追いつめろ! オーストラリア犯罪捜査ファイル

【殺された母親】

2004年4月、<メルボルン>。
自動車工場での夜勤を終え車で帰宅した「アネッタ・ポコープン」が、
午前5時30分、自宅前で何者かに銃で撃たれてしまう。

彼女は幼なじみの男性と結婚し10歳の息子がいる良き母親との評判であった。

警察が「アネッタ」の職場である自動車工場で聞き込みを行ったところ、
彼女は午前4時30分には工場を出ていたという。
自宅までは車で5分程度だが、彼女が殺害されたのは午前5時30分。
約1時間、空白の時間があるのだ。彼女は一体何をしていたのか?
捜査を続けていくと、彼女には裏の顔があることが判明。
職場での彼女はとても奔放で、複数の男性と不倫関係にあったのだ。
殺される直前の1時間も同僚の「ロアン・ムナシンギー」と密会していたのだ。

さらに警察は1年前には10歳年下で工場の警備員「ピージー・プラサー」とも
不倫関係にあったことを突き止めた。
交際は5か月ほど続いたが、「ピージー」の子供を妊娠したのを機に
「アネッタ」が一方的に別れを告げ、「ピージー」はショックを受けていたという。
「アネッタ」はこの浮気と妊娠を夫に告白。
当然、夫は激怒。妻に裏切られた夫も容疑者となった。
犯人は一体誰なのか?

警察は職場の従業員からある重要な手がかりを得た。
なんと銃の隠し場所が記されたメールが送られていたというのだ。
その場所を調べてみると確かに銃が発見され、
それは「アネッタ」殺害に使われた銃であることが判明した。
このメールを送った人物とは…

警備員の「ピージー・プラサー」。
10歳年下の「ピージー」は一方的な別れ話と、
自分との子どもを中絶した事に怒りを覚え「アネッタ」を殺害したのだ。
「ピージー」は懲役20年の刑を言い渡された。



【語る死体】

2000年10月、<オーストラリア・タスマニア島>で午前8時頃、
73歳の「デビッド・クロフォード」が自宅で死亡しているのが発見された。
警察は、金銭目当ての強盗の仕業と推測。
死亡推定時刻は、午前5時から遺体発見の午前8時までの3時間とされた。

第一発見者は「アイバン・ジョーンズ」という19歳の若者。
しかし警察は、
「アイバン」が遺体があるのを知っていたかのような印象を受けた。
聞き込みを行うと事件当日、「アイバン」は午前3時に家を出ており
6時に帰宅すると風呂に入っていたという。
警察は、この3時間の間に「デビッド」を殺害したのではないかと考えた。

「アイバン」が犯人なら犯行時刻は午前5時から6時の間ということになる。
そこで警察は「デビッド」の死亡推定時刻をもっと限定できないか捜査を開始。
すると被害者の「デビッド」が『ペースメーカー』を使っていたことが
分かったのだ。

一部のペースメーカーには心臓の動きが記録される。
そのデータを読みとることができれば、心臓が停止した時刻が分かる。
つまり死亡時刻をもっと限定できる可能性があったのだ。
そして、実際にペースメーカーのデータを見てみると、
「デビッド」が5時30分から31分にかけて息絶えたことが明らかとなった。
こうして警察は、「アイバン」の空白時刻が犯行時刻であることを証明し逮捕。
「アイバン・ジョーンズ」には懲役20年の判決が言い渡された。


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