世界まる見え!テレビ特捜部
11/06/27 OA
スピード強盗 ピンクパンサー現る!

2007年6月<東京・銀座>の貴金属店で強盗事件が発生。2人組の犯人は、催涙スプ
レーを噴射し、店員が怯んだ隙に2億円相当のティアラと8400万円相当のネックレス
を 強奪した。犯行時間はわずか32秒ほど。この事件の犯人は、世界中で暗躍する
神出鬼没の強盗団 『ピンクパンサー』 の犯行だと考えられた。

東京・銀座の事件から1週間後の6月21日<モナコ>の繁華街で、犯行が行われ、
更に7月6日には<デンマーク・コペンハーゲン>の高級ホテル内の宝石店に観光客
を装った3人組のピンクパンサーが押し入った。恐るべき素早さで犯行を重ねるピン
クパンサー強盗団。一体、なぜ彼らは『ピンクパンサー』と呼ばれるのか?
それは2003年、ロンドンで起きた総額15億円相当の宝石強盗事件に由来する。
アメリカの人気コメディー映画『ザ・ピンク・パンサー』の中で、女性登場人物が
盗んだ宝石をフェイスクリームの中に隠すシーンがあるが、彼らもまた、
盗んだ宝石の一部をそれと同じ場所に宝石を隠していたことが発覚。
この事件を機に、世間からピンクパンサーと呼ばれるようになったのだ。

そんなピンクパンサーの全容を解明すべく捜査しているのが、
モナコ警察署長「クリストフ・ハジェ」。彼は、ピンクパンサーは、おそらく同じ
地域の出身で、銃の扱いにも慣れたプロ集団だと考えていた。そして、署長が
ピンクパンサーの活動拠点と睨んでいる国が、ユーゴスラビアから独立した
<セルビア共和国>である。

その後、取材班は、4か月に渡り、内密に調査を実地。ついにピンクパンサー強盗団
の一人から話を聞くことに成功した。その男は、以前はトップクラスのサッカー選手
だったが、ユーゴスラビア紛争によって多くのものを失ってしまった。
そこで彼は、裕福な暮らしを取り戻すため、同じような境遇の仲間と短時間で楽に
稼げる犯罪に手を染めるようになったという。

そんなピンクパンサー強盗団を取り締まるべく2007年、各国の主立った警察からなる
特別捜査班 『インターポール・ピンクパンサープロジェクト』 を発足。
こうしたインターポールの国際的な捜査の結果、約200人の構成メンバーを
リストアップすることに成功。そしてこのリストのおかげで、2008年5月に、
スイス・ジュネーブ近郊の小さな町<ジェックス>で、ピンクパンサー強盗団の
容疑者「ミラン・リェポヤ」の逮捕につながった。彼は、現在、拘置所で判決を待つ
身。更に日本の銀座で起こった事件の容疑者も、2009年地中海のキプロスで逮捕され、
現在公判中である。しかし、この10年間で逮捕されたのは、200人中わずか40人のみ。
世界に蔓延るピンクパンサー強盗団とインターポールとの戦いは、今も続いている。

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