睡蓮
 クロード・モネ (Claude Monet, 1840〜1926)
 ※ 油彩・カンヴァス 1903年 89×100cm
 ル・アーヴル、パリ、アルジャントゥイユそしてヴェトゥイユと、セーヌ河沿いの町を転居していたモネが、ジヴェルニーに移り住んだのが1883年。やがて土地も購入し1893年には水の庭園の造成にとりかかる。この池には日本風の太鼓橋をかけ柳を植え、そして睡蓮が浮かぶという、モネ後半生の主題の舞台ができあがってゆく。この水の庭園をモチーフとして、睡蓮の花のクローズアップ、太鼓橋を中心に据えた水面と木々の風景の連作と続き、この作品のように、水面に映し出される風景のみを−モネ自身の言葉を借りれば<水の風景>を描くに到る。ここでは、ポプラや柳の木々が映り込んだ水面に睡蓮の葉と花が点在するのみだ。モネの筆遣いはあくまでも軽妙で、わずかな風に水面がゆれ動き、光が刻々と変化する様が、色の濃淡とともに捉えられている。
(解説・東京都美術館 学芸員 河合晴生)