印象派の巨匠クロード・モネ(Claude Monet,1840〜1926)は、晩年、セーヌ河沿いの小さな村ジヴェルニーに自宅とアトリエを構え、終生、かの地で創作活動を続けます。生涯、芸術に対して探究心を持ちつづけたモネは、食に対してもこだわりをもち、旬の素材そのままの味をいかしシンプルで庶民的なお料理を好んでいました。妻アリスは、そんなモネのために数々のお料理をつくりました。フランスでは、後年、アリスがモネのためにつくった料理をレシピとしてまとめた本―『モネの食卓』が出版されるなど、モネは美食家であり、家族で団欒を楽しんでいたことが伺え知れます。