2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー


五輪直前 トランポリン  #547 2000/09/10

 9月15日開幕するシドニーオリンピック。今回から正式種目になる意外なスポーツがトランポリン。そして更に意外なことに、このトランポリンに、金メダルを狙える選手がいるというのです。その選手の名は、中田大輔。はたして金メダルを狙えるという彼の技はどんなものなのでしょう?そしてトランポリンを上手に跳べるというコツとは?これを見ればあなたもトランポリン名人?

 世界の中田選手の技を一目見たいと、矢野さんは一路、中田選手が合宿を行っている彼の出身地・石川県美川町に向かいました。そこで中田選手が見せてくれた技の数々に矢野さんはビックリ。なんと中田選手は8メートルも跳ぶ事ができ、これは世界でも3本の指に入る高さとか。試しに棒高跳びのブブカ選手が持つ世界記録、6.14mの高さにアンパンを吊るし、取ってもらうことにしてみたのですが、中田選手はこれを楽々キャッチ。

アンパンをジャンプで取る瞬間  更に中田選手は、世界中で彼にしか出来ずその名も“ナカタ”という必殺技も見せてくれました。前方に4回転まわって最後に2分の1ひねるというこの技が出来れば金メダルも夢ではないそうです。頑張れナカタ!

 トランポリンは競技人口がたったの8000人。その気になれば、オリンピック代表になるのも夢ではない!?と矢野さんが奮起、中田選手の母校・日本体育大学に入門しました。早速競技用トランポリンの上で跳ぼうとする矢野さん。ところが全然飛べないのです。実は膝の使い方に違いがありました。普通、垂直に跳ぼうとすると、膝をしっかり曲げてお尻から太ももにかけての筋肉と太ももの表の筋肉を同時に使い、関節を伸ばしてジャンプしています。それに対してトランポリン選手のジャンプをよく見てみると、なんと膝がピ〜ンと伸びています。さらにトランポリンを見てみると、体重の重い矢野さんが40cmしか沈んでいないのに、トランポリン選手は90cmも沈んでいます。このように膝を曲げずに体を棒のようにしてトランポリンそのものの反発力を利用するのが、トランポリンのジャンプだったのです。中田選手の垂直跳びの高さを計ってみると、何と記録は60センチ!これは中田選手の年齢(26歳)の男性の平均値!率直な話、てんで大した事はなかったのです。トランポリンの跳躍は、足の筋力には頼ってはいませんでした。

 その代わり、トランポリンの選手は意外な筋肉が発達していました。それは、背筋力。背筋は、体をまっすぐに保つために背骨を支えています。トップクラスの選手では、トランポリンに着地するごとに約1tの力が加わるといわれています。その瞬間に膝を曲げずに直立不動でいるためには、強靭な背筋力が必要だったのです。柔道やウェイトリフティングなど、背筋を必要とするスポーツの選手の背筋力は、トップクラスの平均で200kg前後。では中田選手葉というと、なんと手加減しながらも軽く200kgオーバー!大体250kgは出るとのこと。シドニーオリンピック出場選手の中でも最強の背筋力の持ち主であることは間違いないでしょう。

所のポイントトランポリンは、背中で跳ぶスポーツだった!


 オリンピックというと、柔道のYAWARAちゃんこと田村亮子選手を始めとして、なぜか競技の直前、ピョンピョンと跳ねる所をよく目にします。この行動には実は深い意味が有るというのです。そこで、魚住アナウンサーはトランポリンを持ってテニスクラブにお邪魔しました。ピョンピョン跳んでもらった後、テニスのサーブを打ってもらうと、驚くことにピョンピョンした後は全員がスピードアップ。同じ実験を空手道場で行っても結果は同じ、全員キックの威力は増していました。テニスサーブ時の筋肉の働きを筋電図で測ってみると、一目瞭然、トランポリンで飛ぶ前のサーブは、インパクトの瞬間のずいぶん前から力がはいっているのに対し、インパクトの瞬間まで余計な力は加わっていません。また、トランポリンを飛ぶ前後の重心を測ってみても、跳ぶ前は重心がフラフラしているのに対して跳んだ後はきちんと安定していました。実はトランポリンを跳ぶと、姿勢が良くなって重心が安定するのでした。そして姿勢が良くなると傾いた体を支える余計な力を使わなくてすむため、その分の力をインパクトの瞬間までためておくことができるのです。

所のポイントスポーツの前にピョンピョン、これがパワーUPの秘訣!


矢野さん  なんとかジャンプがそれなりになった矢野さん。いよいよ無謀にも回転に挑戦です。場所は茨城県の、回転をマスターさせるのに定評の有るトランポリンクラブに移りました。回転のポイントは、後方回転の方が簡単だということと、体を小さくすることが大切だということ。前方回転に比べて後ろに回る方が、着地点が速く見えるのでより早く着地態勢がとりやすいことと、半径が短い方が回転スピードが速くなるためです。いよいよ矢野さんが挑戦です。ところが思わぬアクシデント、着地に失敗した矢野さん、首を痛めて無念のリタイア。皆さん、トランポリンはきちんとした指導のもとで、無茶はしないようにしましょう。



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