知識の宝庫!目がテン!ライブラリー




 なぜ健康食?ハチミツ  #584 (2001/06/03) 

 今年、ハチミツが熱い!なんと10年ぶりにハチミツの消費量が急増しているというのです。きっかけは東京ディズニーランドのクマのプーさんのハニーハントとも言われています。ハチミツの入った加工食品も続々登場。またハチミツ入りのお菓子も増えているとか。そんなハチミツですが、ミツバチの力を借りなくても作ることは出来ないのでしょうか?

 矢野さんが挑戦します。「人の手だけでハチミツを作ってみせる!」。早速矢野さんは、ハチミツメーカーの方10名に集まって頂き、レンゲ畑で花の蜜の採集を始めました。しかし延々10時間かけて集まった蜜の量は、わずか0.58グラム。これはハチ1匹が1日で集める蜜の量と同じなのです。
 貴重な蜜を所さんがなめてみました。しかしそれはただの砂糖水のようなもので、ハチミツとは全く違うものだったのです。

 花の蜜とハチミツの違い、その1つめは糖分でした。花の蜜の糖分は、砂糖などと同じショ糖なのですが、ハチミツの糖分は、ブドウ糖、果糖などの単糖類なのです。ハチは、花の蜜を蜜胃という所に溜め、それを口移しで他のハチに移す時に、酵素を加え、花の蜜のショ糖を単糖類に分解していたのです。
 ハチミツが健康食と言われる理由はここに有りました。ヒトはショ糖を体内で単糖類に分解して、そして吸収します。ですので、最初から単糖類になっているハチミツの糖分は、ヒトにとって吸収しやすく、即効性が有ったのです。

 花の蜜とハチミツのもう一つの大きな違いは、糖分の割合。花の蜜が20%なのに対して、ハチミツは実に80%が糖分です。これはハチが、花の蜜の水分を巣の中で羽を扇ぐことによって飛ばしているためなのです。
扇ぐハチ
ハチミツ

 水分の少ないハチミツ。それゆえにハチミツは常温で長期保存の利く食物なのです。
 そこでスタジオには35年前のハチミツが登場!たまたまハチミツメーカーの倉庫に残っていたという代物。スタジオで封が切られ、所さんが勇気を持って試食です。その結果は…「おいしかった。なんか得しちゃった感じ」

所さんのポイント
35年前のハチミツは味も衛生的にも全く問題なし!

 矢野さんはハチの働きを学び、人工ハチミツ作りに再挑戦です。単糖類の糖分の溶液を準備し、扇いで水分を飛ばします。扇ぐといえばうなぎ屋さん。矢野さんはうなぎ屋さんにお邪魔し、厨房でご主人と共に扇ぎ続けました。そして遂に出来たとろりとした人工ハチミツ。しかしそれは無色透明でした。

 実はハチミツの色は花粉の色。花の蜜に様々な形で花粉が混じることによってあの色が出ていたのです。ですので最後に花粉を加え、人工ハチミツ完成。スタジオで所さんが試食しましたが、でもいま一つ。まだまだ、グルコン酸、ビタミン、ミネラルなどハチミツには様々なものが含まれており、再現は到底不可能だったのです。

所さんのポイント
ハチミツはミツバチが花の蜜から手間暇かけて作る保存食なのだ!


動物(地上)編へ食べ物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧