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 トロに変身!?アボカド  #590 (2001/07/15) 

アボカド  みなさん、カリフォルニアロールってお寿司、知っていますか?外国で良く見られるこのお寿司、その中に入っているのが今回のテーマ、アボカドなんです。ワサビじょう油をつけるとトロの味がするといいますが、本当なのでしょうか?いったいなぜフルーツなのに寿司ネタになってしまうのでしょう?矢野ママ(矢野明仁)が、なんとアボガトをもっとトロに似せちゃおうという、 “アボカトロ作戦” に挑戦しちゃいます。

 街中で、色々な世代の人に、アボカドをしょう油につけて試食をしてもらいました。そしてトロに似ているか、似ていないかどちらかを選んでもらいました。すると50人中43人と、圧倒的に似ていると答える人が多かったのです。

 なぜ、アボカドとトロは似ているのでしょう?調べてみると、アボカドには多量の油が含まれていた(19%。トロ24%)のです。そのカロリーの高さは、果実No.1と、なんとギネスブックに載っているほどだったのです。

 しかし油(脂)が有るといえば、牛肉も豚肉も例外ではありません。なぜ、アボカドは、牛肉豚肉ではなく、トロに似ているといわれるのでしょう?それは油の融点に秘密が有りました。アボカドとトロは常温では液体ですが、牛肉と豚肉は固体です、これは動物は恒温動物なのに対し、魚は変温動物で、植物には体温が無いためなのです。魚と植物は、低い温度にも耐えられるよう、融点を低くし固まりにくいようにしていたのです。

所さんのポイント
アボカドは油を沢山含み、“森のバター”とも言われている!

 実は所さんは、アボカドがあまり好きではありませんでした。そんな所さんが曰く「食感が違わない?歯ごたえが無いもん」。トロに有ってアボカドに無いもの、それはたん白質でした。これが歯ごたえの差だったのです。

アボカドの実をくわえるケツアール  違いが分かった矢野ママは、アボカドにトロの色と食感をつけることに挑戦です。色は食紅。食感は、たん白質であるゼラチンを使いました。そして矢野ママはこの“アボガトロ”を、無謀にも寿司屋さんに持っていきました。結果は賛否両論。ゼラチンが加わった分、油の含有率が落ちてしまうという思わぬ欠点も有りました。

 しかしなぜアボカドは多量の油を含んでいるのでしょうか?その理由はアボカドの原産地、中央アメリカに棲む、ケツアールという鳥にありました。あの手塚治虫の名作「火の鳥」のモデルにもなったというとてもきれいな鳥。アボカドの原種はワイルドアボカドという小型のものですが、中央アメリカのジャングルという厳しい環境下で生き延びていくために、子育てで栄養の欲しいケツアールに、カロリーの高い実を食べてもらい、種をまいてもらったのです。ケツアールのくちばしは、大きいアボカドの種を出せるよう、横長のものになっていました。

所さんのポイント
アボカドと“火の鳥”ケツアールは共生関係にあった!


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