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 美味ケーキ甘さの正体  #613 (2002/01/06) 

ケーキ  2002年1発めのテーマはケーキ。なんでケーキ?とお思いでしょうが、実は1月6日は、明治時代に新聞広告に初めてケーキという文字が載ったことから、ケーキの日と定められているのです。

 なぜフランス料理などの洋食では、食後のデザートにケーキを食べるのでしょう?和食ではもともと、デザートという習慣は有りませんでした。
 その謎を解くために、若い男性8人に勢揃いしてもらい、半々に分かれ、それぞれほぼ同じカロリーのフランス料理と和食のコース料理を食べてもらい、随時血糖値を測定することにしました。食事を摂ると血糖値が上がり、満腹中枢が刺激され満腹感を得ます。血糖値を測定すると満腹かそうでないかがわかるのです。

 フランス料理、和食のグループともにコース料理を食べる前の血糖値は60〜70前後でほぼ同じ値。いざ食事開始!両者ともまず前菜を食べ、メインディッシュにフランス料理は肉料理、和食は魚と野菜の天ぷらを食べました。変化が現れたのはこのあたりから。和食グループが満腹を訴えたのに対し、フランス料理グループはまだまだ食べられるというんです。血糖値を測定すると、満腹感の目安である100以上の値を記録したのは、和食が3人に対し、フランス料理は1人でした。

和食グループ  さらにフランス料理グループはケーキ、和食グループはグレープフルーツをデザートとして食べました。すると、食べた直後は和食が4人とも血糖値100を超えたのに対し、フランス料理は1人しか100を超えていなかったのが、食後30分、フランス料理グループの全員も血糖値が100を超え、満腹になったのです!

 和食とフランス料理の血糖値の上昇の差には、食事の成分が大きく関っていました。和食には糖質(炭水化物)が多く、フランス料理はタンパク質と脂質が多くなっています。糖質は食後30分ぐらいで血糖値が上がるのに対し、タンパク質や脂質は消化に時間がかかるため、血糖値が上がるのは食後2時間ほどたってからなのです。なのでフランス料理などの洋食で食後にケーキを食べるのは、砂糖などで糖質を補い血糖値を上げ、満腹感を得るためでもあったのです。

所さんのポイント
洋食でデザートを食べると、血糖値が上がり満腹感が得られるのだ!

 皆さん、ケーキなどの洋菓子と和菓子、どちらが砂糖を多く使っていると思いますか?街中で聞いたところ、圧倒的に「和菓子は太らないから、洋菓子の方が砂糖が多い」とのお答え。しかし実際は全く逆で、和菓子の方が砂糖をたくさん使っていたのです。番組で和洋菓子それぞれ4品の砂糖使用量を調べたところ、洋菓子が100gあたり 約17gなのに対し、和菓子は100gあたり約37gもの砂糖が含まれていました。

 それならなぜ、ケーキの方が太ると言われるのでしょう?その理由はカロリーにありました。100gあたりのカロリーを比較してみると、和菓子は約270キロカロリーなのに対し、洋菓子は約380キロカロリーと100キロカロリーも違います。洋菓子にはバターやホイップクリームが多く含まれています。これらは全て脂肪分。脂肪分が多いとカロリーが高くなってしまうのです。しかし洋菓子はこの脂肪分のおかげで、食後、水分が無くてもたくさん食べることが出来るのです。

所さんのポイント
洋菓子は和菓子に比べて意外と砂糖が少ない!洋菓子が高カロリーの原因は食感をなめらかにする脂肪分にあった!

 おやつという言葉、実は英語には無いってご存知でした?洋食にはおやつという習慣はないのです。なぜ和食だけがおやつという習慣を持つのでしょう。これも先程の血糖値実験に、その答えが有りました。食後1時間30分、フランス料理グループの血糖値が和食グループの血糖値を抜いたのです。そして食後2時間、フランス料理はまだ血糖値が高く満腹感が持続しているのに対し、和食は血糖値80以下。そろそろ空腹になってきました。糖質は食後短時間で血糖値を上げる働きをしますが、消化吸収が早いので血糖値が下がるのも早いのです。そこで登場したのがおやつ。和食グループがおやつの和菓子を食べ血糖値を測定すると、再び値が上昇、1時間後に血糖値は満腹の目安である100を超えたのでした。おやつは和菓子の食間の空腹を満たすものだったのです。

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