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 秋の花キク料理に挑戦  #657 (2002/11/17) 

 サクラと並び、日本を代表する花、キク。パスポートの表紙や、硬貨&紙幣でもおなじみです。そして秋はまさにキクの季節。そんなキクですが、調べてみると色々な知られざる生態が明らかになったのです。

 キク科の植物は世界で20,000種類。植物界の中でも最大勢力と言われています。しかしキク科キク属なら日本で14種類。これなら何とか探せそうです。そこで矢野さんが野生のキク科キク属の花探しに乗り出しました。すると、伊豆半島でイソギク、宮城県松島でコハマギク、そして北海道でイワギクが見つかりました。しかしいずれも、崖の上や岩場などに咲いていたのです。秋に咲く花キクは、ライバルもいず、日が良く当たるこのような場所を選んで咲いているのです。

頭状花序
 そしてキクの花にも意外な秘密が有りました。真ん中の部分には細かい花が集まっているのですが、花びらに見える部分も1つ1つが花だったのです。中央の部分の花を筒状花、そして花びらのような部分を舌状花といい、このような構造の花を頭状花序といいます。筒状花は一気にではなく、外側から順に開花していきます。このため虫の少ない秋でも、受粉のチャンスが長いのです。

所さんのポイント
キクの花びらに見える部分、あれも舌状花という花だった!筒状花を舌状花に品種改良することで、大輪のキクも出来たのだ。

 そしてあの白と黄色中心の花の色ですが、紫外線カメラで見ると、赤やオレンジより目立っていました紫外線の見える昆虫には、キクの花は目立ち、虫の少ない秋でも受粉が出来るというわけなのです。
 無数に品種の増えるキク。実は園芸場などで見られる観賞用のキクは、みんなキク科キク属キクなのです。いったいなぜキクはこのように品種改良が容易なのでしょう?それは染色体の数にありました。普通植物の染色体の数は、2本か4本(2倍体か4倍体)。ところがキクは6本有る(6倍体)のです。すると子孫のバリエーションは、2本と4本のものが4通りと36通りであるのに対し、実に400通り!なので品種改良も自由自在というわけです。
 さらにキクの花は受粉のチャンスを延ばすため長持ちします。このため…

所さんのポイント
キクの花は、日本に限らず、中国、台湾、そしてフランス、アメリカでもお墓に供えられている!

キクの大輪とサフランライスの蟹あんかけ  キクは食べられる花としても知られています。そこで「目がテン!」では、観賞用の大輪のキクを形を残したまま料理するという無謀な挑戦に乗り出しました。ご協力頂くのは、日本料理の老舗・なだ万の料理長。料理長はサフランライスを花の付け根の部分に仕込むことで見事、“キクの大輪とサフランライスの蟹あんかけ”という料理を完成させました。花の形も崩れていません。所さんも大満足のお味でした!

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