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 全身役立つ動物 ヒツジ  #663 (2003/01/05) 

 新年第1回は今年の干支、ヒツジを科学します。実はヒツジ、人類最古の家畜だったんです。知ってましたか?そしてその体が「捨てる所が無い」と言われるほど人類に役立つ動物だったんです。今回はそんなヒツジの魅力を余す所無く科学します。

牧羊犬  羊飼いは牧羊犬を巧みに操ってヒツジを思いのままに動かします。まずは矢野さん、本場ニュージーランドの羊飼いの方の手さばきを見せて頂きました。なんと牧羊犬2頭だけで、ヒツジ15頭を思いのままに操ることが出来るんです。いったいなぜ?
 それは“迷える子羊”という言葉に関係していました。ヒツジを群れから離し1頭にすると、なんとパニックになってしまったのです。ヒツジは群れでないと生きていけない動物。なので群れでコントロールもし易いというわけのです。

 ヒツジは人間に毛を与えてくれるということでも大切な動物。そこで矢野さんも毛刈りを体験してみました。すると矢野さんの手にべったり、脂がつきました。この脂、ラノリンといって、なんと水と混ざり合う不思議な性質を持っています。なのでハンドクリームや、口紅、そして自動車のさび止めとしても使われています。

 ヒツジは食の部門でも大きな役割を果たしてきました。ジンギスカンやラム肉はお馴染みですね。しかしヒツジはもっと意外な所に使われていたんです。それはウインナーソーセージの皮。なんとこれはヒツジの腸だったのです。ヒツジは腸が長く、例えば体長84センチののヒツジが、なんと全長31メートルの腸をもっているのです。なのでソーセージの皮にもなるわけです。

所さんのポイント
ウインナーソーセージの皮はヒツジの腸。フランクフルトはブタの腸。体の大きさと腸の太さは違うね!

ギター  クラシックギターにガットギターというものが有るのをご存知ですか?なんと“ガット”とは“腸”という意味。意外ですがガットというギターの弦、昔、ヒツジの腸から作られていたというのです。テニスのラケットのガットも同じ!

 そこで今回特別に、日本で1人ヒツジの腸から弦を作れる方に再現をお願いしました。ソーセージ用の塩漬けの腸4つに裂き、油を抜き乾燥し、後は紙やすりを使い、砥いでいくという作業。なんと1週間を要しました。スタジオで所さんも試し弾きしました。するとまろやかな音色が出たのです!

所さんのポイント
羊毛に、脂に、肉に、ミルクに、腸!ヒツジに捨てる所は無い!!


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