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 蒸着に断熱 真空の実力  #668 (2003/02/09) 

 今週は真空を科学します。真空は、空気の全く無い状態を指すのではなく、大気圧よりも低い状態を指すのが今や定説になっています。そして今や我々の生活は、真空無しでは成り立たないのです。
 真空の中では面白いことが起こるのです。まずはを入れてみます。すると、なんと常温で沸騰し始めたのです。そしてその後に凍ってしまいました!真空の中では、空気の抵抗が無いため、水は常温で沸騰するのですが、この時気化熱が水から奪われるため、凍ってしまうというわけです。
 この他、真空中では、音が全く伝わらず、プロペラを回す飛行機のおもちゃは動かなくなり、ポテトチップスの袋は破裂しました。

橋の上に乗る矢野さん
 そして極めつけは、新聞紙を真空で固め、なんと橋を作ってしまいました。矢野さんが乗っても全くびくともしません。所さんもビックリ。真空恐るべしです。

所さんのポイント
真空で新聞紙はカチカチになり、橋が作れた!

 真空の1つの効果が断熱効果。そこでマイナス200度の液体窒素を真空の容器に詰め、スタジオで所さんにつかんで頂くという決死の実験に挑戦しました。バラの花が凍る程の低温なのに、所さんの手はもちろん無事。容器は冷たくもなかったそうです。
 最近、この真空を使った断熱ガラスも登場しています。2枚のガラスが、数ミリの真空を挟んだもの。2重サッシよりもはるかに効果が有るとのこと。外部を26度にし、内部にドライアイスを入れ温度差を作っても、普通の1枚ガラスに出来る結露が全く出来ません。効果はバッチリ。しかし今度は内部に電球を入れ外部よりも温めてみると、ガラスの表面温度は意外にも上がっていきました。これは熱を伝える赤外線が、真空中も伝わってしまうからなのです。

 みなさん、“蒸着”という言葉、よく聞きませんか?実はこの言葉、正式には“真空蒸着”といい、真空の中で行われるのです。金属は真空中で熱を加えられると蒸発し、対象物に付着するのです。ポテトチップスなどの袋の裏も、CDのあのキラキラした面も、この技術によって作られていました。
 矢野さんはあろうことか、全身に着用する物の蒸着に挑戦しました。スタジオにキンキラの矢野さん、登場。しかし靴やベルトの革製品がキンキラなのに対し、服にはあまりよく蒸着しなかったようです。
真空蒸着

所さんのポイント
真空蒸着は、CDやお菓子の袋の裏のキラキラした部分に使われている!

 最近人気のプラズマテレビ。なんとこのテレビにも真空が使われていました。プラズマテレビのディスプレイは、数百万本の赤・青・黄の微細な蛍光灯で出来ています。蛍光灯は、中が真空で、このため電子が動くことが出来、その電子が光の元となるという仕組み。プラズマディスプレイのも真空無しでは成り立たないのです。

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