知識の宝庫!目がテン!ライブラリー




 日本の味!のりの科学  #671 (2003/03/02) 

 日本の食卓に欠かせないもの、海苔。いったいノリは海の中でどのように生えているのでしょう?そしてそれがどのようにして板海苔になるのでしょうか?

養殖ノリの網  矢野さんが、東京湾一の海苔の生産地、千葉は富津にお邪魔しました。早朝、勢いよく船が出て行きました。それも先を争って。いったいなぜこんなに急いでいるのでしょう?
 いよいよノリの収穫です。養殖ノリは海中に張られた網に生えています。するとその網を船が持ち上げ、そこに着いたノリを刃でこそぎ取っているのです。随分荒っぽい収穫方法ですね。海苔は海藻の紅藻類根は無く、葉にあたる葉状体が直に生えているという、なんとも不思議な植物です。
 この葉が細かくミンチされ、紙すきの要領ですだれで乾燥させられ、板海苔になるのです。これが全て1日で行われます。ノリはとても痛みやすいので、素早く板海苔にする必要があります。なので朝も海苔漁船が先を争って出ていったのです。

所さんのポイント
ノリは収穫されてからその日の内に板海苔になる!

 なんとノリは、板海苔(焼く前の乾海苔)になっても生きているというのです。本当でしょうか?そこで矢野さんが、海苔のかけら3枚を育てることにしました。海水を使い、エアレーションで空気も十分に与えます。
 すると2枚はお亡くなりになってしまったのですが、1枚は成長し続けたのです!なんと飼い始め直径1cmだったのが、2週間で2cm余りに成長したのです。ノリは普通、海岸の岩場などで自生しています。なので潮の満ち干きで、乾燥する事もあるために、乾燥には強いのです。
海苔
所さんのポイント
ノリは、板海苔(焼く前の乾海苔)になっても生きている!

 海苔は家庭でよく焼かれていました。しかし今では、もともと焼いてある焼き海苔が主流です。しかしなぜ海苔は焼かれなくてはならないのでしょう?
 そこで焼く前の乾海苔と、焼き海苔の、お湯に浸けた時に染み出てくるうまみ成分を測定してみました。すると焼き海苔の方が5倍もうまみ(グルタミン酸)が有ったのです。これは焼く事によってノリの細胞が壊れ、うまさが染み出てきたためなのです。
 海苔は湿気に弱い食品。なので市販されている焼き海苔も表裏をそれぞれ5秒ずつ、フライパンで熱すると、よりおいしくなります。

 海苔についての悩みは、歯に着いてしまうということ。なかなか厄介ですね。そこで「目がテン!」が、歯に着かない海苔作りに挑戦します。ミンチになっているから歯に着くのでは?ということで、3cm、5cm、7cmに切ったノリの歯で海苔を作ってみました。結果は7cm、5cmは固くてダメだったものの、3cmは結構いい固さ。歯にも着きません。商品化なるのしょうか?

植物編へ食べ物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧