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 水が決め手日本茶の謎  #683 (2003/05/25) 

 いよいよ新茶の季節が到来!お茶のおいしい季節です。ここ数年、日本茶のペットボトルも急速に普及。もはやウーロン茶を上回ってしまったというから驚きです。

 矢野さんはお茶の名産地、静岡は掛川市に行きました。ちょうど新芽を摘んでいる真っ最中。この新芽がいったいどのようにして、飲めるお茶になるのでしょうか?摘んだ葉でお茶を入れましたが、ほとんどお湯同然。次に葉を蒸しましたが、やはりダメ。次にもんで、ようやくお茶になりました。お茶の葉を蒸してもんで、お茶になるのです。ちなみに蒸して葉の表面に有る酵素の働きを止めないと、なんと紅茶になってしまいます。

玉露の木  緑茶の代表格といえばやはり玉露。さすがに値段の方も一流です。いったいなぜ玉露はあんなにおいしいのでしょう?お茶の味の3大要素は、うまみ(テアニン)、渋み(カテキン)、苦み(カフェイン)ですが、玉露はこのうまみ(テアニン)の量が多いのです。
 それはなぜなのでしょう?そこでその栽培方法を見ると、なんと玉露になるお茶の木は覆いをかけられ、日陰で育つのです。チャの木は、もともと葉にテアニンを持っているのですが、日光を浴びると、その紫外線が葉の中に発生させる有害な活性酸素の働きを抑えるため、テアニンが活性酸素に効果の有るカテキン(渋み)に変わるのです。なので日を当てないと、テアニンが変化せず、うまみが多くなるというわけなのです。

 お茶をポットなどに入れておくと、しばらくすると茶色く変色してしまいますよね。これはカテキンや、葉緑素の一種・クロロフィルが酸化してしまうため。実は緑茶が長い間ペットボトルに入らなかったのも、これが理由だったのです。ではどのようにしてペットボトルの緑茶はこの弱点を克服したのでしょう?それはビタミンCを加えることでした。ビタミンCはカテキンやクロロフィルより先に酸化するため、お茶の変色を防ぐのです。

お茶用の湧き水
 東京に有る“御茶の水”という駅名。なんとこれは江戸時代、徳川将軍家に献上するお茶用の湧き水が湧いていたことからついたそうなのです。ではこのお茶の水、現在も有るのでしょうか?矢野さんが現地で探しました。昔お寺が有り、そこの井戸から水が湧いていた神田川沿いの付近を探したところ、見事水が湧いているのを発見出来ました!。

所さんのポイント
東京の御茶の水で、今も徳川将軍家に献上されていたお茶の水が湧き出していた!

 緑茶にいい水はどのような水なのでしょうか?ミネラルウオーターに、湧き水(今回採取したお茶の水)、水道水、そして蒸留水(純水)の4種でお茶を入れてみました。そしてお茶の名人4人が飲み比べ。すると、3位:蒸留水、4位:ミネラルウォーターは全員一致。1位は3人が湧き水、そして一番えらいお師匠さんだけが、水道水を推しました。
 お茶をおいしく飲むポイントは、マグネシウムなどの水のミネラル分の割合、硬度。これが少なくても物足りないし(蒸留水)、多いとカテキンと結びつきお茶の味を邪魔してしまう(ミネラルウォーター)のです。適度な硬度は50〜80。これに一番近かったのは、なんと水道水だったのです!

所さんのポイント
お茶をおいしく入れるには水道水が一番!これを沸かして塩素を抜き、ぬるめに入れるのがおいしい!


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