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 水が冷えるひょうたん  #698 (2003/09/14) 

 久々登場、科学の素浪人矢野左衛門。その矢野左衛門が嘆きます。なぜ最近の若者はひょうたんを身に着けていないのだ、と。ちょうど今の時期はひょうたんの収穫時期、ということで今回はひょうたんを取り上げます。

 “千成びょうたん”という言葉が有ります。豊臣秀吉がシンボルマークとして使っていたことでも有名ですが、本当に1000個なるヒョウタンが有るのでしょうか?そこで矢野左衛門がその名も千成びょうたんというヒョウタンの畑を訪ねました。すると確かに無数の実がなっています。数えてみると、なんと485個有りました。そしてこの千成ひょうたん、1シーズンでは1000個、実をつけるそうです。

千成びょうたん

所さんのポイント
千成ひょうたんは、1つの季節でトータル1000個の実をつけていた!

 ヒョウタンの実は、乾燥させると硬いですが、実は生の実も硬いのです。同じウリ科のスイカ、カボチャとその硬さを比較してみました。押してみてヒビが入るまでの力を測定してみると、スイカが3.07キロ、カボチャが6.08キロだったのに対し、ヒョウタンは13.36キロにもなったのです!
 これはヒョウタンの実の皮にリグニンという、木を硬くする成分が含まれているからなのです。ヒョウタンの原産地はアフリカ。この苛酷な自然環境に耐えられるよう、このような頑丈な実を持ったのではないかと考えられています。

ひょうたんとペットボトル実験  矢野左衛門は街中の若い人に、ひょうたんに入れた水を勧めてみました。すると一様に驚きの声が上がりました。「冷たい!」。なんとペットボトルに入った水よりもずっと冷たかったのです。
 気温30度を超える野外にひょうたんとペットボトルに入れた水を放置しておいたところ、ペットボトルの水温は上昇するのですが、ひょうたんの水の温度はなんと下降!その差は2時間で6度にもなったのです!
 これはひょうたんの皮に、水を通す効果があるため。皮の表面まできた水が蒸発するため、その気化熱で水温が下がるのです。しかも、水は漏れない特殊構造。これは、水は通さずしかし蒸れないという、現在の防水透湿素材と同じ構造になっているそうです。

所さんのポイント
ひょうたんに入っていた水は冷えた!夏にはもってこい!?

 ひょうたんとかんぴょうは、実はいずれもウリ科の植物から作られたもの、そしてかんぴょうの“ぴょう”はひょうたんの“ひょう”。ならばひょうたんからかんぴょうは作れないかと「目がテン!」が挑戦です。スタジオで所さんがひょうたんかんぴょうを試食。しかしそれは苦く食べられたものではありませんでした。
 かんぴょうはユウガオの実から作られるもの、このユウガオの実は、ヒョウタンの中で唯一苦くなく、しかもそれを食用にさらに改良したものなのです。残念ながらヒョウタンの実は、食用にはむいていませんでした

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