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 花粉症解決!?スギの謎  #723 (2004/03/14) 

 この季節嫌われ者になる木がスギ花粉症で悩まされる方には天敵ですよね。しかしスギは日本で一番多く生えている木、我々の生活には無くてはならない木なのです。そこで今回はスギの名誉回復作戦!実は花粉症は別の木が原因だった!?などスギの知られざる姿と、意外な長所をご紹介します。

 矢野さんはスギの名産地、秋田まで出向きました。実は今の時期は空気が乾燥していて良い木が切れる“刈り旬”なので盛んにスギが切られているのです。そこで矢野さんも樹齢60年余のスギを1本切らせて頂きました。倒す方向とその反対側と2箇所切れ目を入れ見事倒すことに成功しました。その大きさは29メートル40センチ。重さは2.2トン。しかしお値段は約45,000円だというのです。何ともリーズナブルな木なんですね。

日本一高いスギ  スギは大きくなる木。そしてこの秋田になんと日本で一番高いスギがあるのです。その高さは他の木を含んでも日本一、つまり日本一の高さの木なのです。そこでこの木の高さをラジコンのヘリコプターで測ってみました。するとその高さはなんと58メートル!奈良の大仏3.87個分、そして東京渋谷の109のビルよりも10メートルも高いというから驚きです。
 一般的に針葉樹は高く伸びることで日を浴びようとします。そしてスギは枝の部分まで緑色になっていて光合成が出来るのです。なので背の高い針葉樹の中でも特に大きくなるのです。

スギの伐採  スギはなんと弥生時代から食器として使われていたのです。それは加工のしやすさから。なんと石器で伐採、そして削っての加工が出来たというのです。矢野さんが弥生人に扮してこの再現に挑戦。見事伐採にも、そして皿状の物への加工にも成功しました。

 そしてスギといえば建材にも無くてはならないもの。本当にスギは建材として優れているのでしょうか?そこでスギ、ヒノキ、マツの3軒の小屋を立て、人工気象室で高温多湿の環境に置いてみました。すると高温にしても温度の上昇が一番少なく、低温にしても下降が一番少なかったのです。さらに多湿にしても、湿度の上昇が一番低かったのです。これはスギの木の組織が一番粗く空気を多く含んでいるため、温度の変化や湿度の変化に強いからなのです。

所さんのポイント
スギの木は、四季が有り温湿度の変化の激しい日本の気候に適した建材だった!

 スギが嫌われている一番の理由である花粉症。スギは風媒花であるため、風に乗せて大量の花粉をばらまくのです。しかしこれは戦後スギが多く植えられてその数が急激に増えたことにも原因がありました。花粉が多く飛んでいるので、皆スギの花粉症に悩まされているのです。ところが昭和50年ごろから建材としても人気のあるヒノキが多く植えられたので、今後はヒノキがスギに取って代わるかもしれないのです。それが証拠に、今回スギ花粉症の人15人を調べたところ、なんと7人がヒノキの花粉症でもあったのです。

所さんのポイント
今後ヒノキの花粉症が急増する危険性が高い!スギは徐々に恨まれなくなるかも?


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