知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


ウミガメ 驚異の長旅
第737回 2004年6月20日


 先週に引き続き今週も産卵の季節を迎えたウミガメを科学します1ネタを2週連続で取り上げるのは「目がテン!」15年の歴史で初めてのこと。今週は誕生した子ガメのその後を取り上げます。話題の映画「ファインディング・ニモ」でのニモのお父さんを助けたウミガメの不思議な行動の理由も明らかになります!

子ガメ2匹  ふ化し砂の上に出て来たウミガメの赤ちゃんはまっすぐ海の方に向かいます。月も出ていず、波もほとんど立っていない真っ暗な夜にも赤ちゃんはまっすぐ海の方に向かうのです。実はウミガメは、我々が見ることの出来ない紫外線を見ることが出来ます。そして紫外線は昼も夜も空から降り注いでいるのですが、陸地は凸凹があるため紫外線が吸収されてしまうため、海の方が、紫外線を反射と散乱し、陸に比べて紫外線が多く見えるのです。
 試しに紫外線ライトを暗闇で点けてみると、子ウミガメ2匹は一目散にその方向へと向かったのです!

ウミガメの泳ぐスピードを体験  実はウミガメは、陸ガメの様に頭や手足を完全に甲羅の中に収めることは出来ません。代わりにウミガメは驚くべきスピードで泳ぎ、敵から逃れるというのです。
 そこで先週も登場した矢野浦島太郎が、ウミガメ型の模型に乗り海に入り、ウミガメと同じスピードで水上バイクに引っ張ってもらう実験に挑戦しました。するとわずか5キロで脱落!
 ウミガメは平均10キロ、瞬間最速30キロで泳ぐのです。サメも最速25キロなので捕まりません。あのイアン・ソープも6キロ。泳ぎこそウミガメの武器でした!

所さんのポイント
ポイント1
ウミガメは瞬間最速30キロで泳ぐ!
浦島太郎の乗ったウミガメはさぞかし超鈍行運転だったに違いない…


 「ファインディング・ニモ」で、人間にさらわれた息子ニモを探すニモのお父さんに、長距離を移動するには海流に乗ることをアドバイスしたのがウミガメでした。そして何と、生まれたウミガメの赤ちゃんは海流に乗って、とんでもない遠くに旅立つというのです。そこで、なんとアメリカの研究者と手を組み、人工衛星も駆使して、子ガメの旅の追跡に「目がテン!」が乗り出しました。追跡される子ガメの愛称はなんと“TOKORO(トコロ)”。その背中に発信機を着け、人工衛星がこの電波をキャッチし、HP上にその行程を公開するというものです(「目がテン!」HPからも見ることが出来ます!)

 ウミガメの赤ちゃんは、まだ遊泳力も無いため、暖流に入ることで敵から身を守り、また暖流の中で豊かなエサを摂り成長するのです。そして日本から黒潮に乗って、なんとメキシコ沖まで行った記録もあるというから驚きます。ちなみに、そこからどうやって日本に戻ってくるかは全く分かっていません。さて、TOKOROはどこまで行くでしょう。1年間「目がテン!」が追いかけます。

所さんのポイント
ポイント2
日本で生まれたウミガメの赤ちゃんは、黒潮に乗り、遠くメキシコ沖まで旅をする!




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